刑務官の離職が増える
高齢の受刑者が増えることは、刑務現場にとって大きな負担だ。NHKは、「ここは、日本の縮図なんです」という刑務所職員の声を紹介している。倉庫には大人用のオムツが並び、食事では具材が細かく刻む必要もある。入浴や排せつに手助けが必要な受刑者もいる。
認知症の疑いがある高齢の受刑者が、自分の持ち物を盗まれたと勘違いして、他の受刑者とケンカになったこともあったという。
持病がある受刑者は、薬を常用している。担当の職員が、受刑者が服用する薬の仕分けを、確認する作業もある。
刑務所職員は、以前よりもはるかに多彩な仕事をこなさねばならず、多忙だ。神経も使う。
刑務官は、全国におよそ1万7500人いるが、NHKによると、3年未満で職を離れる刑務官が増えている。18年の場合、3年未満に離職する刑務官の割合は、22.1%。10年前は18.5%だった。女性刑務官はさらに深刻で、18年には37%が辞めているという。