いしたにまさき:今月も、はつめさんとゲームの話をはじめますよ。少し前の話にもなるのですが、この連載としては、やっぱ「ZETA DIVISION」の話をしないといけないなと思う次第です。
はつめ: ZETAWIN! ZETAWIN! ZETAWIN!!
側は新しくてもプレイヤーは...
いしたに:えーと、まずは結果から振り返っておきますか。ZETA DIVISIONが2022年4月25日に「VALORANT」世界大会でベスト3になったというのが、まずは起きたことです。
とはいえ、これがどれぐらいすごいことであって、どういう意味があるのかってのは、一般的にはわかりにくいと思うんですよね。サッカー・ワールドカップの決勝の3位とかなら、みんなわかりますけど(笑)。
はつめ:わかりやすく一言で言うと、歴史的な快挙なんですよね。サッカーでいうとブラジル、スペイン、アルゼンチンに勝って3位みたいな。
いしたに:そのレベルの話ですよね。
はつめ:今まで、FPSの世界大会で日本のチームって、ホントに下馬評最下位で、「あ~アジアってゲーム強いけど日本のFPSはね~(笑)」みたいな風潮が世界中であったのが事実です。それで、VALORANTっていうのがまた要因の一つになっていて......。 VALORANTって近年「Riot」からリリースされた新しめのゲームなんですが、ゲームのルールが、いにしえのFPS「CSGO(Counter-Strike: Global Offensive)」にとっても近いんです。実際、CSGOの強豪チームがまるっとVALORANTに移行してたり、側は新しくてもプレイヤーは昔からのレジェンドプレイヤーだったりするんですよね。
いしたに:はつめさん、はやいはやい(笑)。
はつめ:早口オタクとまらない。読み解いていきましょう(笑)。
いしたに:まず、ZETA DIVISIONというのは、日本のプロゲーマーチームですよね。今時、FPSってチームで対戦するので、大会もチームで対決しているわけです。彼らは日本ではかなりの強豪なわけですか? あ、そうか。ZETAの中にさらにたくさんチームがあるんですね。
はつめ:ZETAは元々「Jupiter」という名前で活動していた、なかなか古くからあるプロチームです。たしか、最初の方はオーバーウォッチやPUBGなどから始まり、最近では第五人格やAPEX、色々なesportsタイトルの選手を抱えている強豪チームですね。
いしたに:ああ、なるほど。ZETA DIVISIONがたくさんのチームを抱えていると。その中に今回世界で3位になったVALORANTのチームもいると。そりゃそうだな。やるゲームが変われば、やる人もチームも変わる。当たり前の話だ。
そりゃもうみんな泣いちゃうよね
はつめ:そうです。それでね、まだあるよ。
いしたに:どうぞどうぞ。
はつめ:ZETAのVALORANTチームって、元々「absolute」っていうCSGO日本トップのチームのメンバーなんですよ。
いしたに:へー、歴史が長いんだ。
はつめ:アマの最強チームがプロチームにそのまま移植された感じですね。それでそれで、もうそりゃ強いし、レジェンドメンバー!って感じだったんですが、ZETAにいってから何度もメンバー変更があったりして。昔からのファンからしたら「もうabsoluteじゃないじゃん...」とか、いろいろあったんですよ。前回の日本予選でCR(Crazy Raccoon)に負けちゃったりね。
いしたに:ああ、なるほど。
はつめ:ルールとして、チームに何人まで外国人選手入れていいよ~みたいのがあって、CRは2人くらいメンバーに韓国選手がいて、「やっぱ日本人だけじゃ勝てないじゃん...」みたいなのとかもいっぱいあった。
でも、世界の強豪倒しまくって、歴史的な世界大会3位ですよ。「そりゃもうみんな泣いちゃうよね」っていうのが、今回のZETAの話題ですかね
いしたに:まだ、早いです(笑)。そもそも、VALORANTって、APEXとかほどは日本では知られていないと思うので、VALORANTの話もお願いします。
はつめ:VALORANTはですね。5対5で爆破ポイントを攻める・守るっていう、古くからあるFPSのルールで行う典型的なFPSで。プレイヤーの選ぶキャラクター1人ひとりにスキルやウルト(必殺技のようなもの)があって、キャラクターの構成やスキルの運用で、チームの連携を行う新しい要素+典型的なルールというのが目新しいFPSです。やっぱ最近スキルがあるゲーム多いのでね。
いしたに:はやりのバトロワ系ではないんですね。
はつめ:そうそう!VALORANTは、一度死んだらそのラウンドは基本的には生きかえらない!
いしたに:うわ!それは今時のFPSやってる人たちからしたら、けっこうハードなルールですね。
はつめ:APEXやPUBGのバトロワブームからゲームを始めた人からしたら、大変苦痛なゲームとなってます。でも、バトロワがはやる前って、こういうのばっかりだったんですよ。
一種のリバイバルかな
いしたに:そのVALORANTって、リリース自体はわりと最近ですか。
はつめ:2020年ですね。
いしたに:それでもう世界大会が開催されるレベルなのは、すごいですね。
はつめ:元々開発元のRiotは、プレイヤーファーストにした大会やイベントを精力的に開催する運営ですから。
CSGOはFPSの中でも歴史のあるゲームですが、近年出るゲームに多い各キャラクターに固有スキルのある新作に移行するチームも多いです。
いしたに:今時はそうなってしまいますよね。CSGOって、長く続くゲームなんだな。そうか、古くからあるFPSのゲームルールに、今時の要素をちゃんと入れてリリースされたのがVALORANTという理解でいいですか?
はつめ:そうそう!
いしたに:そして、ゲームルール自体は面白いから、一気に盛り上がったということか。
はつめ:バトロワがはやってる中、新規ゲーマーからしたら目新しいというのもあるんですかね。
いしたに:ああ、なるほど。新規には新鮮、古参には新しいゲームでありながら、単なる今時じゃないというのが受けるのか。それはいいバランスだ。
はつめ:なんて言うんでしたっけ、こういうの。リバイバル? まだ早いかもしれないけど、一種のリバイバルかなと思います。
いしたに:でも、それいい流れだなあ。
はつめ:まだまだ短い歴史ですけど、こうやっていろいろなことが巡っているの、いいですよね。
いしたに:いいですねえ。そして、そういう歴史の流れを体現したゲームで、歴史もあって、かつあれこれあったチームが世界で3位ってのは、もうなんかこれはグッとくるのはわかりますね。
はつめ:昔ながらのチームってやっぱり解散しちゃったり、プレイヤー自体がゲームやめちゃったりあるなかで、昔からずっと頑張っていたチームがやっと成績を残せたというのも激熱ポイント。
いしたに:うむうむ。
はつめ:たぶん、メンバー変わったり、長い時間続けていたことによって、選手たちも色々思うことあると思うんですが、見てる私たちとしては、本当に感動するし、続けてくれてありがとうという気持ちです。
日本中継はマジで見てほしい
いしたに:そういうことだったのかあ。その辺りの流れがわかっていると、なぜこんなにみんなが盛り上がっていたのかが、やっとわかってきました。
はつめ:大会1つ、チーム1つにとってもプレイヤーの数だけバックボーンがあるので面白いですよ。
いしたに:なるほどなあ。なお、試合様子をそのまま見たい人はこちらでどうぞ。優勝したOpticの強さも痛感できます。Opticすごい。
はつめ:日本中継はマジで見てほしい。アナザーストーリーいい話なんですが、VALOの実況解説のOoodaさんや岸大河さんは、彼らも本当に昔からのFPSプレイヤーだったり、プレイヤーで大会に出てた方々でもあるので、熱がね、すごいんだ。
いしたに:そうなんですよねえ。実況解説がいいと、プレイもさらに何倍も光りますもんね。それはいずこのジャンルでも同じだ。
はつめ:プレイヤーだけじゃないのがいいですよね。
いしたに:今回は、こういった背景があっての世界3位ということで、エポックな出来事だったわけですが、今後もゲームそのものだけではなく、チームなど界隈の話もしていけるといいですね。
はつめ:はつめも、なんだかんだ8年くらいこの仕事をしてるらしく(最近気づいた)、色々なものを長く見てきているので、いっぱい話したいことありますね~。
(次回に続く)
(2022年5月27日23時5分追記)本文を以下の通り訂正しました。
(訂正前1)CSGOって「出して終わり」のゲームなので、もう放置されていたゲームなんです。だから、今のゲームみたいにアプデ入って、運営もいろいろとやってくれてってなると、ゲーマーも「そっち行こ~」ってなりますよね。 (訂正後1)CSGOはFPSの中でも歴史のあるゲームですが、近年出るゲームに多い各キャラクターに固有スキルのある新作に移行するチームも多いです。
(訂正前2)CSGOって、もう約20年前のゲームなんだな。 (訂正後2)CSGOって、長く続くゲームなんだな。
(訂正3)以下を削除しました。
いしたに:ちなみに決勝に残ったのは、どこの国のチームだったんですか?
はつめ:優勝したのがOptTicGaming(北米)、2位がLOUDというブラジルのチームです。ちなみにZETAはこのOpticに負けて敗退しているので、勝ってたら実質優勝でした。
訂正にあたり、以下はつめさんからのコメントです。
この度は、CSGOプレイヤーの皆様を不快にさせてしまうような発言、大変申し訳ありませんでした。CSGOはリリースから世界中で長く愛されるゲームであり、大会の盛り上がりなどもesports業界ではトップティアの人気タイトルです。 CSGOプレイヤーの皆様、並びにイベント制作や大会運営関係者の皆様、大変申し訳ございませんでした。重ねてお詫び申し上げます。
編集部からも、ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
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