パンデミック起こす可能性は
気になるのは、どのようにして感染するのか、新型コロナウイルスのように感染が急拡大するのか、ということ。NHKの取材に対し、この病気に詳しい岡山理科大学の森川茂教授が答えている。
それによると、サル痘ウイルスには大別して2種類ある。強毒型と、それほど強毒でない型だ。強毒型は主にコンゴ民主共和国を中心に分布、ヒトからヒトへも比較的容易に感染するようになってきている。重症例では天然痘と区別のつかないような症状を出して死亡するケースも知られているという。
ただし、森川教授は「新型コロナウイルスのようなパンデミックを起こすようなウイルスではないと思います」と語っている。
というのは、サル痘は主に接触感染。「一部飛まつ感染しますけれども、それほど感染力が強いわけではないので、一気に世界中に広がるものではないと思います」とのことだ。
NHKによると、サル痘には特に治療法はなく対症療法で対応されている。1980年に根絶された天然痘に対するワクチンが、サル痘にも高い予防効果があるという。
今のところ国内の感染例はないが、厚生労働省は今後、感染した人が入国するおそれがあるとして、全国の自治体に注意を呼び掛けるなど警戒を強めている。