欧州で議論されている法案
iPhoneの将来的なUSB-C導入説を補強する材料が、ひとつある。欧州で発売されるスマートフォンなど小型電子機器について、USB-Cポートを搭載するよう求める法案だ。欧州連合(EU)内の欧州議会で議論されている。
同議会の22年4月20日付発表によると、5月の本会議で草案が承認された場合は、法案の最終的な形についてEU各国の政府との協議を開始するという。立法化されれば、欧州で発売されるiPhoneにはいずれUSB-Cが搭載されることになる。
気になるのが、その影響だ。ミンチー・クオ氏の話のように、2023年以降のiPhoneでUSB-C導入への期待感が高まれば、それより前に発売されるiPhoneに「買い控え」は起きないだろうか。
2017年5月3日のロイター記事(日本語版、東洋経済オンライン内に掲載)は、アップルの17年度第2四半期(17年1~3月)決算を報じている。iPhoneの販売台数は5076万台で、前年同期の5119万台から「予想外に減少」したという。
当時は初代iPhoneが発売された2007年から10年が経過。「10周年記念モデル」の投入が期待されており、「消費者が買い控えに出ている兆候」があると同記事は分析した。また米調査会社フォレスター・リサーチのアナリスト、ジェームズ・マクイビー氏は、スマホ需要の弱まりや「新モデルの大幅な刷新期待」が販売減の背景にあると推測したという。
状況は異なるが、長年要望の声が挙がっていたUSB-C搭載が「いつ」になるかで、「それ以前」のモデルの売れ行きが変わる可能性はありそうだ。