「Twitter Pay」誕生か
テンセントはパソコン(PC)向けメッセンジャー「QQ」を祖業とし、スマートフォン(スマホ)普及に合わせスマホ向けメッセージアプリ「WeChat(微信)」をリリース、同アプリのユーザー数は12億人に達する。WeChatのリリースは日本で普及しているLINEと同時期だが、2014年からモバイル決済WeChat Payを展開し、中国社会のキャッシュレス革命の原動力になった。配車サービスや旅行の予約、料理宅配、買い物など日常生活のありとあらゆるサービスがWeChatで完結するため、中華圏の人々にとってライフラインになっている。
SNSとフィンテックに加え、テンセントは世界最大のゲーム企業としても知られ、さらには音楽配信、動画配信などコンテンツプラットフォームも手掛けている。
マスク氏が投資家に示した将来のビジネスモデルは、サブスク収入の成長を軸としているが、クオ氏は、マスク氏が「Twitter Pay」を導入し、外部サービスと連携して収益化を図ることにも期待している。
ちなみに、2019年にヤフーを傘下に持つZホールディングスとLINEが経営統合に向けて調整していると最初に報道した日経新聞は、統合の理由に「消費者のネット利用が一般的になり、中国では1つの窓口で各種サービスをまかなう巨大企業が出てきている」と分析し、その代表例としてテンセントの名を挙げた。
SNSを軸に、2010年代前半にコンテンツプラットフォームとフィンテックサービスを連携させ、巨額の収益を上げるようになったテンセント。世界のSNS企業にとって理想の姿なのかもしれない。
Twitter:https://twitter.com/sanadi37