魚に、貝に、サンゴに、巨大ナマコも
いざ、瀬良垣の海へ。雨がパラつく、あいにくの天気だったが、水温はあまり低くなく快適だ。岸に近い浅瀬は水色をしているが、少し進むと突然深くなり、色も深まる。
藤島さんの先導で、瀬良垣島周辺のクマノミ育成区域へ向かう。その間にもサンゴ礁が眼下に広がり、色とりどりの魚たちが横切っていく。クマノミ以外も、見どころたくさんだ。
夢中で海中カメラのシャッターを切っていると、藤島さんが何かを見つけ、取ってきた。巨大なクロナマコだ。海底に、たまに落ちているという。言われるまで気付かなかった。
藤島さんに魚の名前を教えてもらいつつ、のんびり泳ぐこと15分ほど。クマノミのもとまでやってきた。イソギンチャクの合間を泳ぐ3匹の魚の体には、白い線が3本......3カクレ(クマノミ)だ!
「体が大きいのがメス、あとの2匹はオスですね」と藤島さん。レクチャーで習ったことだ。クマノミは「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」といわれる、オスからメスになる「性転換」を行う習性がある。もともと、ふ化したクマノミは「雌雄同体魚(しゆうどうたいぎょ)」と言って、オスでもメスでもない状態で成長していくのだ。
「大きさで順位(性別)が決まる世界です。同じイソギンチャクに住むクマノミの中で、1番大きいメスクマノミがいなくなれば、2番目に大きいオスクマノミがメスになります」(藤島さん)
ひとしきり、クマノミを眺めて楽しんだ後、ゆっくり泳いで岸へ戻った。所要時間は、レクチャーを含め75分。あっという間だ。