砂漠の砂はコンクリートに不向き
同じような記事は3月18日、ニューズウィーク日本版も公開している。「砂の乱採取により、世界中で島が消え、生態系が崩壊し、無慈悲な砂マフィアが登場した。だが、最悪の事態はこれからだ」と警告する。
爆発的に増え続ける世界の砂需要――その多くは中国から生まれたという。中国の2011~13年のセメント使用量は、米国の20世紀全体の使用量を上回った、と記す。
環境ジャーナリストで、元東大教授の石弘之さんの『砂戦争――知られざる資源争奪戦』(KADOKAWA、20年刊)によると、シンガポールの国土はこの50年で埋め立てによって25%も増えた。近隣のアジア諸国から大量の砂をかき集めた結果だ。アラブ首長国連邦のドバイは、砂漠の中の超モダン都市として知られるが、要するに、コンクリートでおおわれた未来都市だ。原料の砂はオーストラリアから輸入されたという。
砂漠の中にあるのになぜ輸入する必要があるのかと思われるかもしれないが、一般に砂漠の砂は、コンクリート素材には適さないのだそうだ。