「有機ELモデル」が支える
「スイッチ」の売上台数は減ってきたとはいえ、過去のハードに比べて「減少カーブ」は緩やかだと安田氏は指摘する。
スイッチはテレビに接続してプレーする、外に持ち出して遊べる、といった多様な楽しみ方ができ、そもそもハードとして魅力があるという。さらに2021年10月、ディスプレーを一新した「有機ELモデル」を発売。画面は大きくなり、ディスプレーを囲む額縁(ベゼル)部分が狭くなっているが、これがユーザーを引きつける要素に。スイッチが普及の「天井」に差しかかる中、新モデルの発売も販売台数の減少をある程度食い止める効果があったのではと推測した。
安田氏は決算説明会で、任天堂の古川俊太郎社長に質問した。それによると、廉価版モデル「ニンテンドースイッチライト」を発売した頃には、スイッチ所有者による本体の買い替えや追加購入がシリーズ全体の販売台数の約30%を占めていたという。一方、有機ELモデルが出てきた後は、買い替え・追加購入による売り上げが約40%に上がったとの話だ。
今後新規購入者の獲得は、段階的に難しくなると予想される。だが、性能を向上させた新モデルを発売すれば、販売数を維持していけるのではないかと安田氏は考える。