カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。どうも今年のGIは一筋縄ではいかないじぇい。先週のNHKマイルカップは最外枠と最内枠、それにどん尻人気馬の3頭で決着したきゃすう。その日の朝に米国であったケンタッキーダービーでどん尻人気の馬が勝ったけど、同じ日に同じようなことが起きるとは競馬の七不思議だじぇい。今週は古馬牝馬のマイル王を決めるヴィクトリアマイル(2022年5月15日、東京競馬場、芝1600メートル)きゃすう。優勝しそうな馬が10頭くらいいて、大混戦だじぇい。それに走り梅雨の天気で、馬場が緩みそうだし、またまたトンデモ決着になりそうな雲行ききゃすう。こういう時はカスヨ姉さんの出番だけど、カスヨさんは全く不調だじぇい。でも、そろそろ当たりが出るころかもしれないきゃすう。
もともとが荒れるレース
カスヨ カス丸、競馬はねえ、当たる回数でなくどれだけ稼いだかが勝負なのよ。3か月に一回、半年に一回の当たりでも、プラスになってればいいのよ。でも確かに今年は、変わった決着が多いわねえ。それにヴィクトリアマイルは1番人気が過去10年で3回しか勝ってないのよ。4~6番人気が多くて4勝、7~11番人気が3勝なの。もともと荒れるレースなのね。でも、今週は自信があるわよ。本命◎はレイパパレね。無傷の5連勝で挑んだ昨年の大阪杯(GI、阪神2000メートル)は雨で馬場が悪くなるなか、マイペースで逃げてコントレイル、グランアレグリアを抑えて、2着に4馬身差をつけて快勝。それ以降勝ち星はないけど、今年に入ってからも金鯱賞(GII、中京2000メートル)2着、大阪杯2着と中距離で堅実な走りをしているわ。逃げにこだわる必要もなく、番手で競馬ができるところが強み。近年のヴィクトリアマイルは中距離で結果を出した馬が馬券に絡む傾向があるわ。週末にかけて馬場が悪化する天気予報なので、道悪実績と中距離実績があるレイパパレは優勝候補にピッタシカンカンよ。
カス丸 ふーん、でもレイパパレは1番人気候補きゃすう。1番人気ばかりが本命◎のガジュマル爺みたいだじぇい。大丈夫? 1番人気候補を取られた爺の本命◎はデアリングタクトきゃすう。一昨年の3冠牝馬だじぇい。
ガジュマル爺 デアリングタクトは、秋華賞(GI、阪神2000メートル)優勝後、ジャパンカップ(GI、東京2400メートル。3着)、金鯱賞(2着)、クイーンエリザベスII世カップ(GI、香港・シャテイン2000メートル。3着)と惜敗続き。ただ、戦ってきた相手を見ると、アーモンドアイ(牝馬クラシック3冠や天皇賞・秋など、9冠馬)やコントレイル(牡馬クラシック3冠や2021年のジャパンカップ優勝)、レイパパレ(21年の大阪杯優勝)、ラヴズオンリーユー(2019年のオークス、20年の香港カップなど)と、やはりレベルが違うんじゃ。8戦してすべて馬券圏内(3着以内)という安定感は驚異的じゃ。それを可能するのが抜群の差し脚じゃな。不安材料は、前走から1年1か月のローテーション。ケガでの休養明けになるが、最終追い切り(調教)を主戦の松山弘平騎手を背に、予定どおりにこなして態勢が整ったはずじゃ。杉山晴紀調教師は追い切り後のコメントで「とてもいい雰囲気。いまはマイルぐらいの距離のほうがいいかも」と太鼓判。じつはマイル実績も桜花賞(GI、阪神1600メートル)を含め、3戦3勝とパーフェクト。実績どおりの力を発揮すれば、あっさり突き抜ける場面があっていい。
カス丸 三冠馬とはいえ1年休んで、いきなり本来の力を発揮するのは、難しいんじゃないきゃすう。カスヨさんの対抗〇はミスニュ-ヨークだじぇい。これは穴狙いきゃすう。
カスヨ この馬は、前々走でターコイズステークス(GIII、中山1600メートル)を勝って念願の重賞初制覇を果たしたのよ。前走も中山牝馬ステークス(GIII、中山1800メートル)で3着と勢いに乗ってるわね。中距離でも結果を出している点も強みね。道悪も苦にしないからプラス要素。重馬場で2戦2勝、稍重で4戦2勝、負けた2戦も紫苑ステークス5着、秋華賞5着と掲示板(5着以内)は外していないわ。馬場が渋るほど堅実に走るから、週末の雨次第では頭まであるかもしれないわね。
カス丸 爺の対抗〇はファインルージュだじぇい。桜花賞3着馬きゃすう。これも2000メートルまでは強い馬だじぇい。
ガジュマル爺 この馬は、8戦して掲示板(5着以内)をはずしたのは、わずか1回(GIオークス、東京2400メートル。11着)という堅実派じゃ。このうち1600メートルは、昨年1月のフェアリーステークス(GIII、中山)勝ちとGIの桜花賞(阪神)でソダシの3着。骨っぽい牡馬相手の前走、東京新聞杯(GIII、東京)で2着と、それぞれ違うコースですべて馬券圏内(3着)と優秀じゃ。紫苑ステークス(GII、中山2000メートル)勝ちや秋華賞(GI、阪神2000メートル)2着と2000メートルまでの距離を十分にこなせているので、タフな東京コースでも力負けはなさそうじゃ。むしろ、中団より後方に控えて一気に差し脚を爆発させるレース運びは、直線の長い東京コースにはピッタリ。その差し脚を繰り出すタイミングが勝負のポイントになりそうじゃが、鞍上の名手、クリストフ・ルメール騎手の手綱さばきであれば、初のGI制覇もありそうじゃ。
カス丸 まだまだ、優勝候補はたくさんいるじぇい。今回、有力どころを一挙並べてもらうきゃすう。