スマホゲーム早すぎるサービス終了 ゲームライターが指摘する「淘汰」

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   「テイルズ オブ」シリーズの新作スマートフォン向けゲームに、早すぎる終止符だ。「テイルズ オブ ルミナリア」が2022年7月20日でサービス終了すると、同作の運営チームが5月10日に発表した。21年11月4日のスタートから、わずか半年での終了告知だ。

   スマホゲームが「リリースから短期間でサービス終了」するのは、よくあることなのか。ゲームライターのタダツグ氏を取材した。

  • 2022年7月20日でサービス終了する「テイルズ オブ ルミナリア」
    2022年7月20日でサービス終了する「テイルズ オブ ルミナリア」
  • 2022年7月20日でサービス終了する「テイルズ オブ ルミナリア」

ゲームライターすら「ゲーム以外」に時間とられる

   結論から言って、「残念ながら、最近は『よくあること』になっている」とタダツグ氏。自身も、「ハマっていたゲームのサービス終了には数回立ち合い、看取ってきた」そうだ。

   ここ半年で、「開始から、1年足らずで終了したスマホゲーム」を、インターネットで探すと複数見つかる。例えば、以下だ。

終末のアーカーシャ:21年7月29日~22年2月14日
戦策三国志:21年12月1日~22年4月25日/サーバーに致命的な不具合が見つかり、「修正不可能」につき終了
三国志ロワイヤル アリーナ:21年4月6日~21年11月10日

   タダツグ氏は、知っている限りで、リリースからサービス終了まで非常に短かったゲームの一例として、「パズルキングダム」を上げた。14年12月21日に開始、12月25日に幕を閉じた作品だ。「いまや国民的パズルゲームである、『パズル&ドラゴンズ』との類似性が指摘されていました」とタダツグ氏が言う通り、人気作品の「パクリ疑惑」が浮上し、悪い意味で話題になった。

   ただ、先行作品の模倣を疑われて悪評が立ち、短い生を終えるケースばかりではない。スマホゲームが短期間でサービス終了する理由の一つには、「淘汰」があるとタダツグ氏は話す。

   スマホ普及に伴い、リリースされるゲーム数が増えたことで、ユーザーは自分好みの作品を選んで遊べる環境になった。それだけ「スマートフォンゲーム業界が成熟した」ことにもなる。一方で、

「忙しい現代社会を生きるなか、プレイできるゲームの数には限りがあるので、淘汰される作品が増えてしまうのは、至極当然だと思う」

   動画視聴や、マンガアプリなど、「ゲーム以外の用途で、端末を使用する機会が増えた」ことも、サービス終了作品が増える理由の一つになっていると見ている。タダツグ氏はこうもこぼしていた。

「なんといっても、ゲームライターを生業にする自分ですら、ゲーム以外に端末を使う時間が増えまくっておりますので......。」

良くも悪くも「代わり」はいるもの

   スマホゲームが、リリースから短期間で終了すると、ユーザーにどんな影響があるか。タダツグ氏は、「前のめりに、時間をかけてやり込んでいた」、「課金をしていた」人ほど、喪失感は大きいだろうと話す。

   しかし、「『人それぞれ』という大前提はあるが、ひと昔前ほど、長く喪失感に浸る環境ではなくなっている」とも。昨今は、一つの作品がサービス終了する裏で、別の作品が二つ、三つとリリースされている情勢があるからだ。

「『このゲームは終わってしまったから、次はこのゲームで遊ぼう』と、気軽に渡り歩くライトユーザーも少なくないでしょう」

   また、複数ゲームを一日に数十分~数時間ずつプレイしているユーザーの中には、「1つのゲームがサ終(サービス終了)してしまったぶん、別のゲームのプレイ時間が長くなるだけ」と考える人もいるだろう、と指摘。

   タダツグ氏は、「スマホゲームが、リリースから短期間で終了」する事態は、ポジティブなことでは絶対にないと言う。ただ、良くも悪くも「代わり」を探しやすくなっている状況のため、全体的には喪失感が長く引きずられなくなってきているのでは、と総括した。

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