玉ねぎの高騰にもコロナの影響
日本ケンタッキー・フライド・チキンは6日、6月1日と7月6日に合計38品目を値上げすると発表した。小麦粉や食用油などの原材料価格や物流費が上昇しているためだ。時事通信によると、現在700円のチキンフィレサンドセットを6月から740円に引き上げるなど、セット商品は大半を30~40円値上げする。
今回の消費者物価指数には、価格変動の大きい生鮮食料品は含まれていない。6日の朝日新聞「天声人語」は、「近所のスーパーの野菜売り場で値札に目を疑った。タマネギが1個298円もする」と、驚愕の体験をつづっている。
高騰の主因は、天候不順で主産地の北海道や、2番目の産地である佐賀県が不作だったことだ。加えて、「実は上海のロックダウンも響いています」というJA担当者の声も紹介している。コロナ禍で上海が街ごと封鎖されて、冷凍など加工用に欠かせない中国産の輸入が滞ったのだという。その結果、全体として玉ねぎの価格が高騰しているらしい。
これから先はどうなるのか、NHKの今井解説委員は「値上げの春だけでなく、値上げの夏。値上げの秋と、続いていくという見方もでています」と解説している。特に生活必需品の値上がりが、消費者にとっては痛手だ。2月の消費者物価は、0.6%の上昇にとどまっていたが、すでにこのうち、生活必需品に限ってみると、4.1%上昇していた。
ウクライナは世界有数の穀物輸出国。ロシアの軍事侵攻で、年間輸出量の半数量が輸出できなくなっている。今後、世界各国に影響が広がると報じられている。
日経新聞は6日、民間エコノミスト10人の意見を集約している。それによると、全国の物価上昇率は、「10月には2.2%にまで高まる」という。