地方を救うのは、ゲームにアニメ? 国指定史跡「根室半島チャシ跡群」(根室市)に来訪者が増加。その一因に冬季に行われた「日本100名城」とスマートフォンアプリ「ドラゴンクエストウォーク」のコラボレーション企画もあると、北海道新聞が2022年4月27日に報じた。
ゲームやアニメとのコラボは、熱心なファンの来訪が期待できる。そのためか、アニメ・ゲームとのコラボで町おこしを図る自治体は多い。
ゲームの聖地
女性向け恋愛アドベンチャーゲーム「薄桜鬼」は、京都市とコラボイベントを実施している。08年に第1作がリリースされたゲームで、幕末を舞台にしている。男装をした幸村千鶴が新撰組と出会うことで、ストーリーは展開されていく。
18年の10周年イベントが開かれた。路面電車「嵐電(京福電鉄)」が「薄桜鬼」仕様になり、公式サイト「薄桜鬼10周年記念 京の都巡り2018」では、特別電車の前面には10周年を記念したオリジナルヘッドマーク、ボディ横にはラッピング、車内にも薄桜鬼のポスターが中吊り展示すると紹介している。また、それ以外にも多種多様なイベントが行われた。
21年にも、11月下旬から12月下旬まで「秋の京都散策」イベントが実施されている。新撰組屯所・旧前川邸や嵐山のカフェとのフードコラボなどを実施していた。
薄桜鬼は、そのほか東京都日野市や千葉県流山市、福島県会津若松市とのコラボレーションも行なっている。
同じく、長い間コラボイベントを実施している作品と自治体がある。「ガールズ&パンツァー」だ。
少女たちが戦車に乗って模擬戦を行う武道「戦車道」がたしなみとされる世界観のアニメ「ガールズ&パンツァー」(2012)の舞台である茨城県大洗町は、ほぼ毎年のようにコラボイベントを行なっている。特に、11月頃に開催される「大洗あんこう祭」は12年から、3月頃に開催される「大洗春まつり 海楽フェスタ」は13年から、新型コロナウイルスで中止された20年まで関連イベントが開かれていた。
また、大洗町の商店街「曲がり松商店街」では、公式サイトの19年イベントスケジュールには、アニメキャラクターの誕生会やお誕生日イベントが記載され、アニメが愛されている様子がわかる。
コラボをよくするあの県も
佐賀県はアニメ「ゾンビランドサガ」(2018)の聖地。佐賀県を舞台にゾンビとして生き返った少女たちが佐賀県を救うためにご当地アイドルとして活躍する物語だ。佐賀県の観光情報ポータルサイト「あそぼーさが」では、「アニメ『ゾンビランドサガ』聖地巡礼ガイド」というページが存在する。県内各所にある「聖地」を紹介するものだ。
また、コラボイベントも頻繁に行っており、22年4月27日現在も「ゾンビランドサガ」マンホールの設置が県内6市にされている。5月以降、第2、第3弾として県内の全20市町に順次設置されるという。
それだけでなく佐賀県は、「サガプライズ!」という地方創生プロジェクトで、アニメを含めたあらゆるジャンルとのコラボ企画を積極的に実施している。