交通被害者を増やしかねない
こうした急激な規制緩和については、もともと疑問を指摘する声が多数あった。
NEWSポストセブンはすでに3月22日、「電動キックボード、無免許ノーヘルで公道走行可は見直すべきではないか」という記事を公開。「バイクだってすり抜けされるとヒヤッとするけど、あれ(電動キックボード)は本当に見えないんだよ。とくに夜はびっくりする」というトラック運転手の声などを紹介。
筆者の日本ペンクラブ会員、日野百草氏は、「時速20kmの無免ノーヘル保険なし、そんな電動キックボードが街中に増え続ければ仕事で走る多くの職業ドライバーはもちろん、多くの道交法を守り、モラルも守る運転者、歩行者までもが迷惑を被る可能性は限りなく高い。むしろ、電動キックボードが公道で市民権を得るためにも、受け入れられるためにも現状の改正案は見直すべきである。このままではさらに多くの不幸な交通被害者を増やすだけだ」と主張していた。
改正案が成立後の4月22日には、ITmedia NEWSが、「電動キックボード開発者が"免許不要"のリスクを指摘 『後で大きなしっぺ返しが来る』」という記事を公開。開発者の中にも規制緩和が「危うい試み」だという声があることを紹介している。