第26回手塚治虫文化賞が2022年4月25日発表され、最優秀のマンガ大賞(年間のベスト作品)に魚豊さんの『チ。―地球の運動について―』(小学館)が選ばれた。7人の審査員の満場一致で決まった。
魚豊さんは24歳。手塚治虫文化賞史上最年少の受賞となった。
地動説がテーマ
同賞は、マンガ文化の発展、向上に大きな役割を果たした手塚治虫の業績を記念するもの。朝日新聞社の主催。
考対象は昨年刊行・発表された作品。最も優れた作品に贈るマンガ大賞は、社外選考委員7人が持ち点15点(1作につき最高5点)で投票した1次選考の上位9作品と、書店員・マンガ関係者、読者からの推薦1位の作品を合わせ、ウェブ会議方式の最終選考会で議論した。
『チ。―地球の運動について―』は15世紀の欧州を舞台に、禁じられた地動説を命がけで研究する人たちの姿を描いた作品。1次選考と推薦でそれぞれ1位となっていた。このほか、最終候補としてノミネートされていたのは以下の8作品。
『【推しの子】』 赤坂アカ×横槍メンゴ(集英社)
『怪獣8号』 松本直也(集英社)
『ジョジョリオン』 荒木飛呂彦(集英社)
『高丘親王航海記』 漫画:近藤ようこ、原作:澁澤龍彦(KADOKAWA)
『風太郎不戦日記』 原作:山田風太郎、漫画:勝田文(講談社)
『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』 武田一義、原案協力/平塚柾緒(太平洋戦争研究会)(白泉社)
『望郷太郎』 山田芳裕(講談社)
『ミステリと言う勿れ』 田村由美(小学館)
斬新な表現に贈る新生賞は「教室の片隅で青春がはじまる」(KADOKAWA)と「今夜すきやきだよ」(新潮社)の谷口菜津子さん(33)、短編賞はオカヤイヅミさん(43)の「いいとしを」(KADOKAWA)と「白木蓮(はくもくれん)はきれいに散らない」(小学館)が選ばれた。