「転売屋」だと思ったから拒否
こうした販売店の「不適切な対応」の考えられる要因について、総務省は4社に回答を求めた。
ドコモは、総務省から事業法違反と判断されるとして提示された事案6件について個別に確認した。例えばスマホ単体販売を拒否したケース。当初MNP(電話番号を維持しての回線乗り換え)で来店した客と商談をしていたところ、途中で「端末のみ」を購入したいとの要望を受けたが、店舗のスタッフは「転売屋と疑い端末販売を拒否した」とのことだ。
店頭では1人1台購入可と店頭表示していたため、同社は「端末販売を拒否することは不適切」と認めた。
2万2000円の端末割引に加え、頭金を免除すると提案した事案については、実際にはすべての注文に対し、頭金分の値引きを実施しているのに「(MNPでの転入のみが)特別割引となるようなご案内をしてしまった可能性がある」とし、こちらも「不適切」と説明。「違反事案の発生を重く受け止め、法令遵守に向け、更なる再演(原文ママ)防止に努める」としている。
KDDIによると、これまでスマホの適正な販売について研修や周知を実施してきた。しかし販売代理店・スタッフ間の知識や意識に差が発生している可能性があるという。今後はスタッフの理解度に応じた対応を行い、是正や再発防止を徹底するとしている。
ソフトバンクは「覆面調査の詳細結果を踏まえて、代理店への個別対応含め引き続き徹底的に対応していく考え」を示した。
楽天モバイルは、店舗への配属後まだ日が浅い「見習スタッフ」が単独で接客し、自己判断で誤った説明を行ったことや、端末購入に関連したキャンペーンやその条件を案内する時に、ツールやウェブサイト等を用いず口頭のみで説明を行ったことが要因とした。そのうえで、再発防止策を実施するとした。