都営地下鉄の駅構内から、ごみ箱が撤去される。2022年5月9日に、全てなくなるのだ。東京都交通局では、ごみは持ち帰るよう公式サイトで呼び掛けている。
都営地下鉄に限らず、首都圏の鉄道各社は近年、駅のごみ箱をなくしている。J-CASTトレンドは各社に取材し、理由を聞いた。
係員が預かるケース
小田急電鉄広報によると、防犯対策を中心に「総合的に勘案」し、2022年3月からごみ箱を撤去している。駅構内で買った弁当を食べ終わった後に生じるごみは、「持ち帰ってもらうようご協力をお願い」しているとのことだ。
ただ駅構内の自動販売機付近には、自販機会社が設置している飲料容器回収用のごみ箱がある。加えて、新宿駅では小田急電鉄がペットボトル用の特殊なリサイクルボックスを試験的に導入しているとの話だった。
西武鉄道は2021年3月、駅内のごみ箱を撤去した。広報によると、家庭ごみの持ち込みが増えたことと、新型コロナウイルスの感染予防の観点から、駅売店の利用で出たごみは「持ち帰りいただく」よう理解を求めている。駅によっては、自販機メーカ―が設置する飲料容器の回収箱があるとのことだった。
京王電鉄は、テロ警戒の観点から2004年3月にごみ箱を駅から撤去。同社広報によると、使用済みのペットボトルや缶は、ホーム上の自販機の横に廃棄用の「箱」を設置している。防犯警戒の観点から、中身が見えるよう透明に近い。飲料の容器はこちらで捨てられるが、弁当や雑誌といったごみは「お持ち帰りいただいている」とした。
東急電鉄も、2004年3月からごみ箱をなくした。公式サイトによると、スペイン・マドリードで同月に発生した列車爆破事件後、国土交通省と警察庁の協力要請を受けて撤去したという。ただ、他社とは少し対応が異なる。
駅係員に願い出れば、ごみを預かってもらえるのだという。東急広報に取材すると、「駅売店等で購入され、駅や電車内で飲食されたごみや新聞、雑誌などをお預かりし処分させていただいております」とのことだ。また、駅内の自販機横の飲料容器回収箱は今もある。