世代間で認識に大差
この政府の新方針に、さっそく反応したのは、立憲民主党の小沢一郎衆院議員だ。同日、事務所の公式ツイッターを更新。
「いま年収600万円以下で子ども3人以上の世帯がどれだけあるのか?」「ニーズがないから予算を節約できるとでも考えているのか?完全に国民を馬鹿にしている」と疑問を投げかけた。
インターネットでは「一歩前進」と評価する声も多いが、「参議院選目当て」という指摘や、学部による分断などを危惧する意見も出ている。
日本はOECD(経済協力開発機構)加盟国の中で、高等教育への公財政支出の割合は最低クラス、国の「給付型」奨学金がなかったのも、日本ぐらいだと指摘されてきた。
2017年に刊行された『奨学金が日本を滅ぼす』(朝日新聞出版)によると、「奨学金問題」の深刻さについては、老若の世代間で認識に大きなギャップがある。互いに「言葉も通じない」ほど。なぜなら半世紀前と今とでは、学生の置かれた状況が全く異なるからだという。