ストライクゾーンと「飛びづらい球」
そのうえで小林氏は、投高打低の背景となり得る他の要素を挙げた。
まず今季は、パ・リーグ球審のストライクゾーンが低め、あるいは外角などいずれかの方向に広がり、投手に有利になっている可能性があるという。
4月20付の河北新報記事によると、東北楽天ゴールデンイーグルスの元投手で解説者の山村宏樹氏も「(パでは)四球が減っているので、ストライクゾーンがボール半個分ほど広がっているのだろうか」と疑問を示した。
試合時間が若干短くなっている点にも着目した。小林氏によると、今年のパ・リーグは9回までの平均試合時間が19日時点で3時間4分だ。昨年の平均は3時間11分だったという。短い間隔で投球をされると打者は準備ができず打ちづらいため、試合のテンポが速くなったことも一因としてあり得るとした。
そのほか、パでは佐々木投手の完全試合を演出したロッテ・松川虎生捕手や、楽天・安田悠馬捕手のように新人捕手が活躍している。若年キャッチャーの出現による「(昨年からの)配球の傾向の変化が当たっている可能性」があると分析した。
なお1試合の平均本塁打数は、昨年からパが約0.80本から約0.48本に、セ・リーグが約0.89本から約0.75本と変わった。パの変化が顕著だが、実は両リーグで減少傾向なのだ。そのため、ひょっとすると両リーグで多少は飛びづらい球が採用されるようになった可能性は否定できないと小林氏は述べた。