まずコロナ禍で高騰
「ウッドショック」は、実は昨年から始まっている。NHKによると、米国でコロナ禍からの回復に伴って住宅の需要が急激に高まったことがきっかけだ。世界的に木材不足になった。日本でも木材が足りなくなり国産木材の価格も上昇。必要な木材を確保できず住宅の建設に大きな影響が出ていた。
それに拍車をかけたのが、ロシアのウクライナ侵攻だという。朝日新聞によると、ロシアの銀行への金融制裁で取引手段が狭まったうえに、ロシア政府は非友好国への単板などの輸出禁止措置を3月に発表。市場から「ロシア産」が消えつつあるという。
東洋経済オンラインによると、木材業界の中で「合板が手に入りにくくなる」との懸念が一気に広がり、卸会社やメーカーに注文が殺到した。「一部に仮需要(買いだめ)が発生している」(卸会社の社員)とも。
家づくりで使われるアルミサッシや、ステンレスの流し台に使われるニッケルなどもロシアが産出国だ。NHKの取材に、横浜市内の工務店「富士ソーラーハウス」の 大澤正美社長が語っている。
「サッシやガラスなど、あらゆる家に関するモノの値段が上がっている。コロナとかウクライナショックとかすべての影響が、最後に家に集中してきているという感覚があります」