世界的な半導体不足は、パチンコ・パチスロ業界にも影響しているようだ。パチンコ台「P 真・暴れん坊将軍 双撃」「Pとある科学の超電磁砲(レールガン)」を開発・製造する藤商事(大阪市)は、業績予想を下方修正したと2022年4月15日に発表した。
通期(21年4月1日~22年3月31日)のパチンコ・パチスロ累計販売台数の予想で、21年5月7日時点では9万5000台を見込んでいたところ、8万2000台に修正した。背景には、半導体不足があるという。
部材の価格が高騰
藤商事発表によると、「パチンコ遊技機」(いわゆるパチンコ台)の販売台数の確保に努める中、2021年から続く「世界的な半導体不足などの影響で部材供給が不安定」となった。また主力製品として発売予定だった2機種は来期に販売が繰り越されるなど、ラインアップにも影響があった。売上高予想は、346億円から296億円に見直した。
さらに「供給不足の対応」などにより部材の価格が高騰し、大幅に原価が上昇したという。営業損益は当初の20億円の黒字予想を修正し、7億3000万円の赤字になる見込みとしている。
パチンコ台「P麻雀物語4」やパチスロ台「Sルパン三世」などを販売している平和(東京都台東区)は、22年2月9日発表の決算説明資料で業界の現状について触れた。
それによると、パチンコ市場ではやはり半導体をはじめとする電子部品不足の影響により、新台の供給が低調になっているという。平和としては部品不足の影響を抑えるため、「リユース」を活用し販売台数の確保に力を入れているとのことだ。
周辺機器メーカーにも
ダイコク電機(名古屋市)は、パチンコホールの状況を管理する機器や、台の大当たり回数などの情報を表示する液晶端末を販売している。同社は2022年2月24日に、業績予想の修正を発表。21年4月~22年3月末の売上高予想は、前回(21年5月13日)の260億円から245億円になるとした。「半導体不足による販売計画の調整」が理由だ。
ただ業務改善や効率化により、営業利益や経常利益は前回予想を上回るとしている。営業利益の見込みは前回発表の8億5000万円から9億5000万円に上方修正された。