歩いて稼ぐ暗号通貨アプリ 「初期費用」スニーカーNFTが15万円に高騰

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高いスニーカー代と不確実性

   STEPNには世界最大の暗号通貨取引所「バイナンス」のファンドが出資するなど、大きな期待を集めている。ネット検索するとSTEPNの収入だけで生活している人、たくさんの靴を購入して1日10万円以上稼いでいる人もいるようだ。

   ただ、「〇円稼いだ」はあくまでGSTの交換価値であり、誕生して間もないGSTが今後どういう値動きをするのかは予想しにくい。また、話題を集めるにつれスニーカーの価格もインフレ化し、私が始めてから1週間足らずで最安の価格が3SOL(4月15日のレートで約3万9000円)近く上昇した。今始めると、初期費用として約15万円が必要になる。「稼げる」という言葉が先行しているが、初期費用だけでなく不確実性も高い。

   個人的に気がかりなのは、3月末から中国で急激に記事やSNS投稿が増えている点だ。中国では暗号通貨の購入や取引は一切禁止されているが、在外中国人も相当いるし、中国でブームになると投機的な動きにつながりやすい。昨年1~2月にブームとなった音声メディアのClubhouseは、中国人ユーザーが殺到した日にサーバーダウンし、その後の冷え込みも早かった。

   運営側は人気の過熱を歓迎しておらず、3月から招待制を導入した。新しく始めたい人は既存ユーザーから招待コード(アクティベーションコード)をもらう必要があり、そのコードもゆっくりとしか発行されない(私の場合、開始5日目に最初のコードが発行された)。

   このように、今の時点ではゲームを始めるハードルは、まだ高い。とは言え現時点で準備中の機能も少なくなく、スニーカーのレンタルもその一つだ。同機能がリリースされると、少ない初期コストで気軽に始められそうだ。

【連載】浦上早苗の「試験に出ない中国事情」

浦上早苗
経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。
Twitter:https://twitter.com/sanadi37
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