「STEPNって知ってる? はやりそうだよね」
中国人の友人からそう聞かれたのは4月5日(2022年)。インターネットで検索したところ、「歩いた報酬として暗号通貨を付与されるアプリ」らしい。翌6日、シンガポールの友人に何げなく「今日は何してたの」と話しかけると、「朝から10分歩いて1万円稼いだ」というので、思わず「もしかしてSTEPN?」と聞き返した。
2日連続で、投資話に敏感な中華圏の人から名前が出るというのは、ブームの一つのシグナルでもある。気になったので私も始めてみた。
「10分歩いて1万円」
ざっくり説明すると、STEPNはアプリ内でスニーカーのNFT(非代替性トークン)を購入し、歩いた分だけ独自の暗号通貨「GST」を付与される。GSTはアプリで暗号通貨「SOL」か「USDC」に交換できる。
冒頭の「朝から10分歩いて1万円稼いだ」というのは、正確には「1万円相当のGSTを付与された」ということだ。
昨年12月にリリースされたSTEPNは日本の暗号通貨ユーザーの人気を集め、今月初めにはグローバルのユーザー数が100万人を突破したことが明らかになった。そして暗号通貨初心者である私の耳に入ってくるようになった。
短期間でこれだけ人気になった理由としては、主に2点が挙げられている。
一つ目は、保有・交換がメインだったNFTを、使いながら暗号通貨をもらえる=稼げる商品にしたことだ。
二つ目はゲームとしてよくできている点。スニーカーは「ウォーキング」「ジョギング」「ランニング」用途の3種類あり、特性に合わせた速度で歩かないと(走らないと)暗号通貨をゲットできない。歩くとレベルが上がり、スニーカーが育っていく。一定レベルに育ったスニーカーが2足あると、「ミント」(配合)によって新しいスニーカーを生み出せる。
「歩く」「スニーカーを育てて配合もできる」「稼げる」という分かりやすさと楽しさで、暗号通貨初心者の参戦が多いのが、STEPNの特徴だという。実は私も暗号通貨取引の口座を作りっぱなしで取引したことはなかったが、歩いてポケモンを確保する「ポケモンGO」にも一時期はまり込んだことがあり、STEPNには興味を持った。マスク生活の間に前歯の歯並びを矯正しようとつい最近クリニックに行ったのだが、検査の結果思っていたよりずっと時間もお金もかかりそうだと判明。矯正に使おうと思っていたお金を、そのままスニーカーに充てることにした。
もらえるGSTはレベルや所有スニーカーの数によって上限があるので、私が1日に獲得しているのは10分ほど歩いて8GST弱だ。執筆している4月15日時点だと1GSTは約600円なので、単純計算すると1日に5000円弱稼いでいる。