東北新幹線「全線再開」の裏で 「えきねっと」「みどりの窓口」激混み

   新幹線の指定券の窓口が、オンラインでも「リアル」でも大混雑した。東北新幹線の全線運転再開を翌日に控えた2022年4月13日、JR東日本の指定券予約サービス「えきねっと」にアクセスが集中し、つながりづらくなるトラブルが起こった。

   JR東は「東北新幹線等のきっぷの発売開始」が背景にあると「えきねっと」サイト上で説明している。時間を空けて利用するか、各駅の「みどりの窓口」、指定席券売機で購入するよう呼びかけた。だが、駅によっては「みどりの窓口」までも混雑した。

  • 4月13日朝7時の池袋駅のみどりの窓口 ルート・ヴィーナス(あいの)さんの提供(一部を編集部で加工しています)
    4月13日朝7時の池袋駅のみどりの窓口 ルート・ヴィーナス(あいの)さんの提供(一部を編集部で加工しています)
  • 4月13日朝7時の池袋駅のみどりの窓口 ルート・ヴィーナス(あいの)さんの提供(一部を編集部で加工しています)

「みどりの窓口」7割削減方針

   「連休に向けて券を買いたいのにえきねっとを利用できない」「みどりの窓口も大混雑」。こんな嘆きが、13日のツイッター上で相次いだ。指定券は4月13日、大型連休明けの5月10日分まで発売を開始した。東北新幹線の全線運転再開に加え、ゴールデンウィークでの新幹線利用需要が重なった可能性がある。

   そもそも、JR東は2021年5月、「みどりの窓口」の提供駅を25年までに約7割削減させていくと発表していた。利用の多い駅を中心に、バランスを考慮した配置にするという。代わりに、えきねっとの利用拡充や新幹線の「チケットレス化」を推進する方針を出していた。

   「Yahoo!ニュース個人」で小林拓矢氏が3月3日付で公開した記事によると、東京周辺でもすでに市ヶ谷・小岩・本八幡・高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪の各駅で「みどりの窓口」が廃止されている。こうした背景から、えきねっとの混雑で「みどりの窓口」を案内されても、最寄り駅ではすでに廃止されていると不満をもらすユーザーが複数いた。

早朝20人の行列が夜は40人に

   ツイッター名「ルート・ヴィーナス(あいの)」さんに取材した。秋田新幹線から東北新幹線への乗り換えルートを、近日中に利用予定だ。

   「えきねっと」は利用路線の組み合わせによって、サイト上で指定券を購入できないことがある。「ルート・ヴィーナス(あいの)」さんのケースはこれに該当するため、えきねっとで利用予定の新幹線の空き状況だけを確認し、みどりの窓口で特急券を購入するために13日朝7時、東京・池袋駅へ立ち寄った。

   すると窓口には20人ほどの列が。毎朝池袋駅を通っているという「ルート・ヴィーナス(あいの)」さんは、「普段(の窓口)は、朝7時はほとんど人はいない」と驚いた様子だ。

   購入は見送り、同日夜に再び同駅のみどりの窓口に寄った。今度は40人ほどの並びがあり、「窓口の外まで列が伸びていたので諦めました」。14日朝になるとようやく空いていたため、そこで券を購入できたとのことだ。

   「えきねっと」は2021年にリニューアルされたが、券購入のために利用経路を検索すると、基本的に最短ルートが表示されるようになったという。少し複雑な経路は表示されなくなり、不便になった部分があると「ルート・ヴィーナス(あいの)」さん。みどりの窓口の統廃合には理解を示しつつも、「ネットで様々なニーズに対応できるように、より改良を加えていただけたら」と望む。

   「えきねっと」は、3月14日朝にも引き続きアクセス集中の告知が掲示され、実際に昼頃まではサイトが混雑していた。その後問題は解消したのか、17時までにこの表示は消えた。

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