5文字と写真で「3万いいね」 江ノ電ツイッターは「ゆるくシンプル」

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撮影し損ねたら、次のチャンスは72分後

   江ノ電は、湘南の海、鎌倉の「あじさい名所」である御霊神社、富士山など幾つもの観光・絶景スポットを、乗車しながら見られる。「映える」写真を撮りやすい環境なら、ツイートネタに困ることはなさそう――と思いきや、こんな苦労も。

「江ノ電が通りがかり、走り去るまで一瞬です。シャッターチャンスを逃すと、次に同じシチュエーションで撮れるのは...電車が一往復して戻ってくる、72分後になります」
富士山と江ノ島電鉄1000形(提供:江ノ島電鉄)
富士山と江ノ島電鉄1000形(提供:江ノ島電鉄)

   走る江ノ電を収めるなら、「一発で決める」覚悟が要る。シャッター切り放題ではないのだ。この点は全く「ゆるく」ない。注意すべきことは他にもある。

「安全や周囲に配慮した撮影をしなければなりません。さらに、天候の影響もあります。機会があってもあえて撮らない、50枚も撮ったけど使えるのは2枚だけ、なんてことも...(笑)」

   欠かせないのが、毎日の天気予報チェックだ。気圧なども見て「先の情報を仕入れ、この日なら良い写真が撮れるかもしれない、と目算を立てます」。ただ、晴れの日ばかりがチャンスではない。「あじさいと江ノ電の写真を撮るなら、雨天を狙う場合も」と担当者。実はカメラが趣味で、一眼レフ歴は12年ほど。撮影にかける思いは強い。

「被写体にとって何がベストか、どう違う見せ方をすればフォロワーを楽しませられるか、いつも考えています。同じ写真ツイートが立て続かないようにしたいですね」
社屋より撮影。同じ富士山でも、全く異なる見え方(提供:江ノ島電鉄)
社屋より撮影。同じ富士山でも、全く異なる見え方(提供:江ノ島電鉄)

   今後は、沿線店舗の人や商品も取り上げ、紹介していくことで「地域を上手く巻き込んだ運用を目指していきたい」という。地場の魅力発信が、見る人の「ここに行ってみたい」につながり、やがては江ノ電の利用に結びつくかもしれない。

   江ノ電は22年9月で、鉄道開業120周年を迎える。自動車部門、観光部門とも連携し、「良い意味で『鉄道アカウント』の枠を超えた取り組みで、節目の盛り上げと江ノ電の認知度アップを目指します」と担当者。最後にこう付け加えた。

「危ないことはせず、今できることを少しずつ広げていきます。本来の運用目的から、脱線しないように!」

各企業公式ツイッターアカウント担当者(通称:中の人)をJ-CASTトレンド記者が突撃取材。「業務」として日々ツイッター運用に取り組む担当者たちの魅力を紹介する。

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