昨夏から続く「給湯器」の品薄が、解消されないままだ。新型コロナウイルスの影響が海外の部品工場の稼働に及んだうえ、世界的な半導体不足も要因となっているという。
2022年4月に入っても、状況は改善していない。ツイッター上では、給湯器が故障したが本体の品薄で交換に時間がかかっている、と嘆きを毎日のように見かける。
銭湯とジムでしのぐ
ツイッター名「やまさん」さんに取材した。3月20日に、自宅のガス給湯器が故障した。古い機種だったため修理できず、交換することに。しかし、設備工事会社からは半導体不足により新品は「納期未定」と説明された。「最短でも、ひと月以上はかかるとのことでした」。
生活に支障が出た。食器を洗おうにもお湯は出ない。3月下旬の水はまだ冷たく、食器洗浄を避けて夫人と外食する機会が増えたという。
4月12日現在も、給湯器は納品されていない。自宅では風呂に入れないため、本人は銭湯へ毎日通い、夫人はトレーニングジムに備えてあるシャワーを利用するようになった。現代では、給湯器が無いと生活が成り立たないと思ったという。
昨年発注した商品が未入荷
「やまさん」さんの給湯器は、納品まで「最短でもひと月以上」との話だった。ところが、機種によっては4か月かかる事例もあるようだ。
工務店「親子大工」(神奈川県)は公式サイト上で、給湯器の品薄問題を解説している。新型コロナウイルスによる海外の都市封鎖や半導体不足の影響で、21年8月のお盆明けから、給湯器と専用のリモコンを発注しても納期不明の状態が続いているという。
4月12日付で同サイトに書かれた記述によると、「2021年11月・12月」に複数メーカーに発注した給湯器で、いまだに入荷されていない品があるとのことだ。
リフォーム会社「スミレナ」(東京都港区)公式サイトによると、同社取り扱いの住宅用設備は新型コロナ拡大と「世界的な樹脂材料不足」により納期が遅延。4月4日更新情報によると、リンナイの「高効率給湯単能機」という給湯器は「4か月〜」、ノーリツの「高効率給湯単能機」は「2か月〜」が納期の目安になると説明している。