オミクロン株「XE」強い感染力 ワクチン3回目進まず大型連休が心配

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   新型コロナウイルスについて気になるニュースが続いている。一つは、オミクロン株の新変異ウイルス「XE系統」が初めて日本でも確認されたこと、もう一つは感染再拡大の傾向がある沖縄県に、県庁と各省との連絡調整に当たる政府のリエゾン(連絡員)チームが派遣されたことだ。

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感染力は「BA.2」より10%高い

   厚生労働省は2022年4月11日、新型コロナウイルスの新たなタイプの変異ウイルスで、オミクロン株「BA.2」より増殖力が高いとされる「XE系統」が空港検疫で初めて確認されたと発表した。

   報道によると、「XE系統」が見つかったのは、米国に滞在歴があり、3月26日に空港検疫で陽性と確認された30歳代女性だ。

   読売新聞によると、「XE」は1月19日に英国で初めて検出され、3月29日時点で約600件の症例が確認されている。国内で第6波をもたらしたオミクロン株の主流型「BA.1」と、現在感染者が増えている派生型「BA.2」の遺伝子が交ざっている。両方に同時に感染した人の体内で、ウイルスの遺伝子の組み換えが起きてできたとみられている。

   感染力は「BA.2」より10%高いとされているが、ワクチンの有効性など詳しい性質はわかっていない。世界保健機関(WHO)は「さらなる確認が必要」としている。

   1月以降、国内で急拡大したオミクロン株による感染は、ピークを迎えた後も、なかなか沈静化しない。当初の「BA.1」から最近、新たに別系統の「BA.2」に置き換わったのが一因ではないかとされている。それだけにさらに感染力が強いとされる「XE」の登場は、気になる。

沖縄では病床使用率が急激悪化

   コロナの感染者数は、都道府県によってばらつきがある。最も早く感染者が増加し、ピークを迎えた沖縄では、このところ増加傾向が続いている。

   沖縄タイムスによると、沖縄県は11日まで、感染者数が20日連続で前週の同じ曜日を上回った。沖縄本島のコロナ病床使用率は52.1%まで上昇し、県は同地域の医療フェーズを4から5に引き上げた。県全体の病床使用率も45.0%と急速に悪化している。50%を超えると「感染まん延期」に相当する。

   直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は11日時点で576.1人。10日時点では571.5人で、2位の東京の382.8人を大きく引き離して都道府県別で最多が続いている。

   こうした状況を受けて12日、松野博一官房長官は記者会見で、沖縄県に、県庁と各省との連絡調整に当たるリエゾン(連絡員)チームを同日派遣すると発表した。チームは内閣審議官をトップとする4人体制で15日まで派遣する予定だ。毎日新聞によると、松野氏は「機動的な対応を可能とするよう緊密な連携を図っていく」と述べた。

若者層の「3回目」接種が進まない

   沖縄と同じように感染者の増加が懸念されているのが東京だ。11日まで5日連続で、前の週の同じ曜日の人数を上回っている。

   年代別では、20代が19.4%、30代が18.1%、10歳未満が17%。若い世代の割合が高い状況が続いているが、FNNによると、感染拡大防止の鍵となるワクチンの3回目接種は若い人たちの間で進んでいない。5日までの接種率は都民全体で49%だが、20代は25.6%、30代も30.2%にとどまっている。

   全国的にも、ワクチンの3回目接種は滞っている。11日の共同通信によると、1、2回目は人口の80%近くが打ち終えたが、3回目の追加接種は45.4%にとどまる。政府は11日、3回目の年代別接種率について初公表。20~30代が20%台と若い年代ほど低い傾向が判明している。

   今後の感染防止策について、国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は共同通信の取材に対し、「3回目接種が一定数進んでいることがブレーキになるが、5月の連休にかけ人の接触機会が増えると、さらなる感染拡大があり得る。年代を問わず接種できる時期が来たら早めに打ってほしい」と話している。

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