コロナ「2類相当」を「5類」にしたら 医療費は自己負担、治療に数十万円も

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患者や家族に負担増

   第6波で感染を急拡大させたオミクロン株は、感染力が強いものの、症状としては軽症や無症状が多かった。しかし、「2類相当」の対応なので、行政や医療機関の作業は膨大。経済活動にも大きな影響が出た。

   見直しを求めることは幅広くあるようだ。FNNが2022年2月21日に公表した世論調査では、「5類の扱いにするべき」が58.2%で、「2類相当の扱いを維持するべき」(36.9%)を上回った。

   東京都の小池百合子知事は3月30日、国に対し、「5類相当」に引き下げることを要請した。政府は今のところ、基準を変える考えは示していない。

   小栗泉・日本テレビ解説委員は4月1日、NNNのニュースで「5類相当になるメリットは、入院勧告がなくなることです。治療が本当に必要な人だけに限定されることになれば、医療現場の負担はさらに軽くなります」「一方でデメリットはどうでしょうか。現在、医療費は全て公費でまかなわれていますが、5類相当になると、一部自己負担になります。そうすると、受診控えする人が増え、感染がさらに広がるという懸念もあります」と解説した。

   オミクロン株の流行が早かった沖縄では、沖縄タイムスが2月13日、この問題を取り上げている。

   その中で、感染症に詳しい県立中部病院の高山義浩医師は「5類に引き下げれば、まん延防止に向けた行政の役割は後退する。高齢者施設などで集団感染が起きても施設側の責任となり、県が医療関係者を派遣したり濃厚接触者を検査したりする予算は根拠を失う」と拙速な見直しには否定的だ。

   さらに懸念するのは医療費の負担増。現在のように全額公費で賄うのは難しい。コロナの治療薬は数万円~数十万円とされ、公的医療保険を使っても相当な支払いが必要で「受診控えが起きてもおかしくない」と話している。

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