カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。今週からいよいよクラシックレースが始まるじぇい。まずはぼくの1番大好きな桜花賞(2022年4月10日、阪神競馬場、芝1600メートル)きゃすう。ピチピチの乙女たちが桜の女王目指して、走り抜けるじぇい。今年のGIは大荒れ続きだけど、このレースもなんだか戦国桜花賞って感じで、人気どおりに収まりそうもないきゃすう。荒れるレースに強いカスヨ姉さんの本命◎は意外と固く、2歳女王のサークルオブライフだじぇい。
サークルオブライフの底力
カスヨ 意外でも何でもないわよ。軸にするならサークルオブライフが一番よ。前走のチューリップ賞(GII、阪神1600メートル)で負けたから、少しは人気を落とすかもしれないけど、負けた理由ははっきりしてるから大丈夫。この馬はなんといっても未勝利(中山1600メートル)からアルテミスステークス(GIII、東京1600メートル)、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI、阪神1600メートル)と3連勝した潜在能力が非常に高いのよ。アルテミスSは中団の後ろ目で追走して上がり最速で差し切り勝ち。阪神JFも中団後方を追走して馬群の外から上がっていき33秒9の強烈な末脚で快勝と結果を残してきたわ。前走は、休み明けで挑んだチューリップ賞。末脚勝負から一転、好位からの正攻法で伸びきれずに3着という結果になってしまったけど、すでに賞金は足りているし、新しい乗り方を試したものと考えられるのよ。まあ、今回は、元どおり末脚にかける勝負に出るわね。枠も16番枠と外目でもまれずに競馬ができることがプラス材料になるわ。アパパネ、アーモンドアイと名牝を育てた経験を持つ国枝きゅう舎から新たな名牝が誕生すること間違いないわ。
カス丸 ふーん、相当な自信きゃすう。ガジュマル爺はこれも末脚が鋭いプレサージュリフトだじぇい。
ガジュマル爺 いつものとおり、今一番強い馬はプレサージュリフトじゃ。2戦2勝。昨年10月の新馬戦(東京1600メートル)を2着(ローシュタイン)に3馬身差の圧勝。年明けの2月には、いきなりGIIIのデイリー杯クイーンカップに挑戦。GIの阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神1600メートル)で3着だったベルクレスタやGIIIのフェアリーステークス(中山1600メートル)で2着のスターズオンアースを退けて優勝したんじゃ。よどみない流れを後方からレースを進め、上がり3ハロン(600メートル)を33秒5の脚で追い込みを決めたんじゃ。阪神のマイルコースは、ワンターンの直線が長いのが特徴じゃ。じゃから末脚が鋭くないと勝てないんじゃ。この馬は、高いレベルでのスピードをもっとるし、流れが速くなりがちな桜花賞では強烈な差し脚が生きてくるはずじゃ。2月からレース間隔が空いたが、それも問題なしじゃ。父ハービンジャーは英国で9戦6勝。2010年にキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを11馬身差で勝った実力馬。引退後、日本(社台ファーム)で種牡馬入り。産駒にはペルシアンナイト(2017年のGIマイルチャンピオンシップ優勝)やディアドラ(2017年のGI秋華賞、2019年の英ナッソーステークス)、マイル(1600メートル)のGIヴィクトリアマイル(2019年)や香港カップ(2020年)を優勝したノームコアを輩出。母シュープリームギフトは短距離が得意。母の父はディープインパクト。左回り(東京コース)しか経験していないものの、血統を背景に伸びしろは魅力十分じゃ。母の血が色濃くでると、マイルは適距離のはず。鞍上も戸崎圭太騎手なら安心して見ていられるというもんじゃ。
カス丸 ふーん、なかなか強そうだじぇい。カスヨさんの対抗〇はベルクレスタきゃすう。これは少し穴っぽいところだじぇい。
カスヨ 穴っぽいと言ったって、ベルクレスタは結構強いわよ。デビュー戦(中京1600メートル)は出遅れながら34秒3とメンバー中上がり最速の強烈な末脚で追い込んだけど届かず2着。この時の1着は、後に新潟2歳ステークス(GIII、新潟1600メートル)、デイリー杯2歳ステークス(GII、阪神1600メートル)を制して、GIの朝日杯フューチュリティステークス(阪神1600メートル)でも2着に入る好成績を収めたセリフォスよ。未勝利(新潟1600メートル)を勝ち上がった後は、アルテミスSで2着、阪神JF6着、デイリー杯クイーンカップ(GIII、東京1600メートル)3着と、勝ち切るまでには至っていないんだけど、強烈な末脚と馬群を割ってこれる勝負根性が魅力で高いポテンシャルを感じるわね。姉はヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリードと良血で、姉同様の強烈な末脚で一発があってもおかしくはないわ。
カス丸 今回は伏兵がわんさかいるじぇい。戦国の名にふさわしいレースきゃすう。具体的に、どんなのがいるか、爺からいくじぇい。
こんなに多い伏兵どうやって選ぶ
ガジュマル爺 わしはまずクロスマジェスティじゃな。この馬は1600メートル戦ばかりを4戦して、すべて馬券圏内(3着以内)と安定しておるんじゃ。3戦目の未勝利戦(中山)は先行2番手から抜け出して、そのまま押し切り。続く桜花賞トライアル、アネモネステークス(リステッド、中山)も直線で抜け出すと2着のラズベリームースの追撃を退けたんじゃ。先行して折り合えるレースぶりは魅力。アネモネS組は過去10年で3着以内なしと散々だが、クロスマジェスティが勝ったこのレースは1分34秒4(アネモネSの良馬場での平均時計は1分35秒3)と速いんじゃよ。同日の東風ステークス(古馬リステッド、中山1600メートル)の走破タイムが1分34秒1だったことを考えると、時計的には優秀といえるんじゃ。鞍上は若手で売り出し中の武藤雅騎手が手綱をとる。人馬とも、自分のレースができれば、一発はある。次にフォラブリューテじゃな。昨年8月、新潟競馬場の新馬戦(1600メートル)を単勝1.7倍のダントツの1番人気に推され、中団(4コーナー7番手)から上がり(最後の600メートル)最速タイムの33秒0の差し脚を披露。2着(スカイトレイル)を4馬身ちぎって圧勝したんじゃ。この脚が評価され、続くGIIIのアルテミスSでも1番人気に推されたが、サークルオブライフの5着に敗れた。前走の紅梅ステークス(リステッド、中京1400メートル)でも1番人気で、上がり最速(34秒7)をマークして優勝したんじゃ。父はエピファネイア。母がブルーメンブラット。2008年のGIマイルチャンピオンシップ(京都1600メートル)で牡馬を相手に優勝、母譲りの瞬発力が武器なんじゃ。3頭目はライラックじゃな。3戦2勝。デビュー戦(新馬、東京1800メートル)勝ちの後に、GIIIラジオNIKKEI京都2歳ステークス(阪神2000メートル)に挑戦したが、8着。しかし、前走のGIIIのフェアリーSでは距離を縮めて出走し、2着のスターズオンアースを退けたんじゃ。向こう正面では最後方(16番手)だったが、4コーナーでは捲りぎみに押し上げ、直線で差し切った。一瞬の切れる脚というよりも、長く脚を使えるタイプじゃ。まだまだ成長途上だが、重賞勝ちの勢いがあるぞ。最後にスターズオンアースじゃ。父ドゥラメンテは2015年のGI皐月賞(中山2000メートル)、日本ダービー(東京2400メートル)を制した2冠馬。母サザンスターズ(競走経験はない)の近親にはGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神)を制したソウルスターリングやGIIIアルテミスS(東京)勝ちのシェーングランドがいる。いずれも1600メートル戦を得意としていて、この馬にもプラス材料になりそうじゃ。先行できる脚があるのもいい。フェアリーS、クイーンCと重賞で2着2回の実績があり、混戦になってくれば出番が回ってくるはずじゃ。
カスヨ 爺は多いわね。わたしも4頭あげとくわ。1頭目はラブリイユアアイズよ。デビュー戦(札幌1200メートル)、クローバー賞(オープン、札幌1500メートル)と2連勝した後に挑んだ京王杯2歳ステークス(GII、東京1400メートル)では出遅れが響き3着までが精一杯だったが、牡馬相手に好走している。前走のGI阪神JFでは直線で内を突いて先頭に躍り出たところを外からサークルオブライフに抜け出され惜しい2着だったわね。近年は阪神JFから直行するローテーションでも結果が出ており、この馬も高いレースセンスをもっているわ。次にウォーターナビレラよ。デビュー(札幌1500メートル)から3連勝で挑んだ阪神JFは逃げ・先行勢が総崩れの展開で3着に粘りこんだわ。前走のチューリップ賞は余裕残しの仕上げだったために5着と成績が振るわなかったけど、悲観する内容ではないわ。今週からBコース使用となるため、先行馬が残れる馬場であればこの馬の先行力で武豊・幸四郎の兄弟GI制覇が見られるかもしれないわ。3頭目は人気になるけど、ナミュールね。新馬戦、赤松賞と出遅れながらに快勝し潜在能力の高さを見せつけたわ。GI、阪神JFでは外枠17番からの発送で大きく出遅れて届かず4着。前走のチューリップ賞は課題のスタートを決めて中団を追走し、勝負所で馬群に包まれたが外を回って直線は上がり最速で快勝と能力は非常に高いわよ。最後の一頭がピンハイね。デビュー戦は直線で狭いスペースを割って上がり最速で勝利したわ。前走のチューリップ賞も内をついてGI馬のサークルオブライフをかわして2着と力を示しているわ。まだ2戦しかしていないので経験が浅く凡走する可能性もあるけど、馬群を割って抜け出す勝負根性は世代トップクラスとみて、今回ゴール前が混戦になったときに一番強い競馬を見せる可能性もあり馬券に押さえるわ。
カス丸 実力拮抗だじぇい。ここは末脚、コース実績、調子のいいラブリイユアアイズが本命◎きゃすう。