「有料ごみ袋」地域ごとに価格差 1枚100円超から無料まで、その背景

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   家庭のごみ出しに用いる袋。ごみ収集の手数料を兼ねて、自治体側が有料の袋を指定しているケースは多い。ホームセンターやコンビニエンスストアといった取扱店で指定袋を購入、使用するのが一般的だ。

   袋の価格は、自治体によってまちまちだ。40リットルサイズが、1枚100円を超えるところもある。

  • あなたの街に指定のごみ袋はありますか (写真はイメージ)
    あなたの街に指定のごみ袋はありますか (写真はイメージ)
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東京23区は指定の袋なし

   東京都の場合、23区の家庭のごみ出しに専用の袋は指定されておらず、各自で半透明の袋などを使える。新宿区公式サイトによると、以前は「東京23区推奨ごみ袋」があったが、2009年に廃止された。「一般の市販袋においても強度及び透明性を有する袋が十分に流通しているため」とのことだ。

   ただ区外だと、話は異なる。武蔵野市では指定袋が存在し、「40リットル相当」が10枚1組800円となっている。1袋80円という計算だ。八王子市だと、可燃ごみの40リットル袋が10枚入りで750円、1枚75円で販売されている。

   東京以外を見てみよう。千葉市は、可燃用の指定袋45リットルは10枚360円が販売価格。1枚あたりだと36円だ。大阪市は、指定袋は存在しない。京都市では設定されており、「燃やすごみ」用は45リットルで1枚45円だ。

登別と帯広は1枚当たり120円

   北海道は、他地域より高額な自治体が多い印象だ。札幌市では40リットルの指定ごみ袋が5枚1組で400円、1枚あたり80円で、武蔵野市と同じとなる。

   一方、室蘭市では2022年3月までは40リットル1枚80円のところ、4月からは1枚120円に改定される。釧路市のごみ袋は40リットルが1枚105円。登別市では可燃用袋は40リットルが10枚1組1200円で、1枚当たり120円。帯広市も可燃用40リットルが1セット5枚600円で、登別と同じく1枚当たりは120円だ。100円を超えるケースが複数ある。

   帯広市の清掃事業課管理係に取材した。ごみの収集コストを税金で負担にするか、ごみを排出する人の負担とするかなどを「総合的に勘案」して価格を設定していると説明した。

   他の都府県に比べて、北海道の各自治体のごみ袋が高額な理由を質問した。担当者によると「一概には言えない」ものの、本州よりも高いイメージがあるとすれば、居住区域が広く、ごみ収集車の移動距離が増えることで燃料費がかさむことが一因ではないかと推測した。

大阪府箕面市「無料」のワケ

   逆に安価なケースを調べた。宮崎県都城市の指定袋は、「大サイズ」45リットルが「一冊20枚入」で税込330円。1枚あたり16.5円だ。

   同市環境政策担当に取材すると、「ごみ収集にかかる費用などは価格に上乗せをしていないので、ほかと比べて1枚あたりの価格が安くなっているのだと思います」と答えた。

   指定袋が「タダ」というパターンがあった。大阪府箕面市では、燃えるごみに専用袋を定めているが、袋は1年ごとに世帯人数に応じた枚数を無料で配布している。毎年8月にはがきで「引換券」が市民に郵送される。券はコンビニなどの取扱店で、袋と交換できる。総容量は1人世帯なら1600リットル、2人世帯なら2400リットルだ。

   なお、有料で袋を購入することもできる。10枚1組836円、1枚あたりで83.6円だ。ゴミ袋が不足した場合、有料で買うことになる。

   箕面市公式サイトによると、ごみ減量と資源化への意識付け、ごみ排出量に応じた公平な負担をめざし、家庭の可燃ごみは「原則無料」としている。

   また一定以上のごみ排出に対しては、追加の袋購入による経済的負担を求めることで、ごみの減量に意識を向けてもらうようねらっている。

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