弾道ミサイルには対応していない
排他的経済水域や防空識別圏には、厄介な問題も付随する。
排他的経済水域は、領海よりもかなり広い範囲に及ぶので、どうしても近隣国と重なり合うところができる。例えば日中間。
日経新聞によると、海域は距離的に200カイリの範囲が重なり、EEZの境界線は未画定。日本政府は地理的に同じ距離にある「日中中間線」を引き、少なくとも中間線の日本側の海域を日本のEEZとしている。一方、中国は大陸棚延長の主張によって中間線を越えて沖縄近海までを自国海域だと訴え、尖閣諸島の領有権も主張しているそうだ。
防空識別圏について2017年に、北朝鮮ミサイルの侵入・落下を受けて国会で問題になったことがある。
政府は、「我が国の防空識別圏は、我が国が、我が国周辺を飛行する航空機の識別を容易にし、もって領空侵犯に対する措置を有効に実施するため定めているものであり、御指摘の『弾道ミサイルの落下』への対応を目的とするものではない」と答弁している。