規格外のリンゴを「再生」
特別賞である「KIRIN賞」に輝いたのは、都内で直営イタリアン14店舗を経営するイタリアンイノベーションクッチーナ(東京都渋谷区)青木秀一取締役社長だ。
キリンビールはCSV経営推進企業として「外食5G」とパートナーシップを組み、1年にわたってサポートを行ってきた経緯がある。そこで「外食5G」側から特別賞を選んでほしいと要望したそうだ。
青木社長は、長野県のりんご生産農家・丸西農園から買い取った規格外品のリンゴを使ってオリジナルのクラフトシードル「rinato(リナート:イタリア語で「再生した」の意味)」を開発した。醸造には、長野県飯綱町の廃校を活用したシードル醸造所「林檎学校醸造所」の力を借りたという。
季節によって異なるそうだが「10月~1月くらいの間は、月に3トンもの規格外リンゴが出てしまうそうです。料理で使おうとしても追いつかない量だと考え、ドリンクにする企画を立てました」と青木社長。取引先である都内の農業コンサルティング会社・アグリコネクトの紹介がきっかけで、丸西農園と知り合えたと話し、「生産者やパートナー企業との結びつきを見つめ直し、関係を強化することの重要性」を強調した。