日本国内のマラソンレースを、立て続けに世界のトップ選手が走った。2022年3月6日の「東京マラソン」と13日の「名古屋ウィメンズマラソン」だ。どちらも海外からの招待選手が桁違いの強さで圧勝した。両レースで有力な海外勢が多数参加した背景には、「高額賞金レース」としての魅力もあったようだ。
世界とは3分から5分の差
東京マラソンは男女混合レース。男子は、世界記録保持者で、五輪2連覇のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間2分40秒の大会新記録で優勝。女子も、世界記録保持者で東京五輪銀メダルのブリジット・コスゲイ(ケニア)が2時間16分2秒の大会新で優勝した。
男子は1~3位、女子は1~5位が全員外国選手。上位を独占する形となった。
日本勢は、日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)が健闘し、2時間5分28秒の日本歴代2位の好記録で4位に入った。女子は、東京五輪で8位入賞の一山麻緒(ワコール)が2時間21分2秒で6位に入ったのが最高だった。
名古屋ウィメンズマラソンは、世界歴代4位の記録を持つルース・チェプンゲティッチ(ケニア)が2時間17分18秒で優勝。2位には、世界歴代8位のロナチェムタイ・サルペーター(イスラエル)が入った。日本人トップは、安藤友香(ワコール)選手。2時間22分22秒で3位だった。
日本の有力選手が出場した両マラソンだったが、世界のトップ級とは男子で約3分、女子は約5分の差がついた。とりわけ東京マラソンは、スタートして300メートルも過ぎないうちに、外国人選手だけのトップ集団が形成されるという異様なレース展開だった。