停戦とセットでなければ
NHKの番組で、ロシアと欧米の関係に詳しい筑波大学准教授の東野篤子さんは、「人道回廊」について、「時間を区切ってきっちりと停戦をして、人々の避難を促すルートなんですね。なので、きちんとした有効な停戦とセットでなければ全く意味がありません」と語っている。
ところが、ウクライナでは「人道回廊」の周辺でも戦闘が起きて、市民の死傷者が出るなど、安全地帯ではないと報じられている。「人道回廊」が名ばかりの状態になっている。こうした状況は、報道する側にも影響しているようだ。
NHKのニュースは、「ロシア国防省は首都キエフなど5つの都市で8日、避難ルートを設置し、これらの地域で一時的に停戦すると発表しました」「"避難ルート"避難開始も... ウクライナ側『ロシア軍が砲撃』」「『避難ルートでもロシア軍は撃ってくる』 と訴える避難者も」など、「人道回廊」を使わずに、単に「避難ルート」と言い換えるケースが目立っている。