ロシア提案「人道回廊」うさんくさい 停戦せずどうやって避難しろと

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4ルートはロシアへ

   ロシアによる「人道回廊」の提案を白々しくさせているのは、侵略者が「人道」を口走っているということだけではない。提案された6ルートのうち、なんと4ルートが、ロシアもしくはロシアの友国ベラルーシに退避する道となっている。ブリンケン米国務長官は今回の「人道回廊」について、ロシアに抜けるルートを設置するというロシアの提案は「ばかげている」と批判している。

   さらに「シリアの二の舞」になるのでは、ということも懸念されている。時事通信は、ロシアが15年に軍事介入を始めたシリア内戦で、アサド政権側は反体制派が占拠した北部アレッポの東部地区や、首都ダマスカス近郊の東グータ地区などで包囲作戦を展開。「人道回廊」を設置し、市民らに反体制派最後の拠点の北西部イドリブ県への避難を促す一方、抵抗を続けた反体制派には、無差別爆撃や化学兵器を使ったとみられる攻撃を強化した。

   このためシリア内戦での「人道回廊」は、総攻撃をかける前の最後通告の意味合いが強かったとみなされている。ウクライナでも、これから同じことが起きるのではないか、という心配がある。

   ウクライナではすでに国民総動員令が出ている。「人道回廊」を設けたということが口実になって、退避できなかった市民はロシアによって戦闘要員、もしくは準戦闘要員とみなされ、標的にされる可能性もありそうだ。

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