「iPhone 13」シリーズが発売されてから、約半年。複数の大型家電量販店では、すでに安売りが始まっていた。
ツイッター上では、店名を挙げて販売情報を知らせたり、端末とレシートの写真を添付し格安で手に入ったと報告したりする投稿が見られた。安値での購入条件を詳細に載せている個人ブログも、確認できる。
「一括1円」の広告
投稿を参考に、東京都内にある量販店2か所を訪れた。そのうちの1店では、入り口から大きく各通信会社の「お得情報」を掲載。iPhone13 miniを100円未満で購入できるとの文字が。「iPhone SE 64GB 機種代一括1円」で購入できるとうたわれているポップ広告も、目に入る。
最新機種だけでなく、iPhone 12やiPhone SEの前の世代も対象機種に数えられ、価格は1円で手に入るものも。iPhone以外にも、最新のスマートフォン(スマホ)が本来の価格よりも大幅に安い価格で案内されていた。中には、発売から1年未満の端末も存在する。
2019年の電気通信事業法改正では、携帯電話の「通信料金と端末代金の完全分離」などが盛り込まれた。高額な端末価格を大幅に下げ、代わりに通信料金を割高にする手法は制限がかけられた。また回線契約を条件に端末を購入する場合の値引きは、上限2万円となった。だが売り場では、販売価格「1円」の広告が今もはためく現実を目撃したわけだ。
条件は店舗や通信キャリア、機種によって違うようで、話しかけてきた店員は「詳しい条件などは、口頭案内になります」と詳細についてはにごした。大々的にピーアールしている以上、法的にクリアした形での販売とは考えられる。
転売で丸もうけ
これらの格安スマホを購入し、転売する者もいるようだ。フリマアプリ「メルカリ」では、新品のiPhone 13 miniが7万円程度で取引されていた。正規価格は8万6800円(税込)。転売品を買えば、2万円近く安く抑えられる計算だ。一方の転売者は、仮に前述の「100円未満」で購入していたら、ほぼ丸もうけと言える。
販売者の商品情報には、端末情報の詳細とともに、家電量販店で一括購入したとの説明が多くみられた。