大相撲の取組前に土俵を回る光景でおなじみの「懸賞旗」。2022年3月13日開幕の「3月場所」では、新型コロナウイルスワクチンを供給している米モデルナ日本法人が懸賞旗を掲出している。宇良関、阿炎関、琴ノ若関といった若手力士の取組が対象とのこと。
懸賞旗は取組に懸賞金をかけた企業が掲出でき、社名などが場内放送で読み上げられる。今回のモデルナのように、ジャンルを問わずさまざまな企業の旗が土俵を彩ってきた。
ジャンプ作品に「ベルばら」も
ゲームや漫画の旗が回ることは珍しくない。2014年の11月場所では、週刊少年ジャンプで連載されていた漫画「火ノ丸相撲」の懸賞旗が登場した。相撲を題材とした作品で、「ジャンプ」のロゴとともに、主人公のイラストが描かれていた。
17年1月17日付毎日新聞(電子版)によると、同年1月場所には漫画「ベルサイユのばら」の懸賞旗が登場した。同月の「13巻」発売を記念したものだ。また17年の5月場所には、「北斗の拳」の登場人物が描かれた懸賞旗が、横綱(当時)・稀勢の里の全取り組みに掲出された。
また2021年の11月場所と22年1月場所では、ゲーム「ポケットモンスター」シリーズの人気キャラクターの懸賞旗が登場している。
「NO!3密」
東京都は新型コロナ拡大防止に向け、「懸賞旗スタイルの告知旗」を掲出しての広報を2020年7月場所で行った。幕に「手洗いマスクの徹底」「NO!3密」といった注意喚起の文言がプリントされ、3密(密閉、密集、密接)の回避などを呼びかけた。7月場所後も、何度かこの告知旗を大相撲で掲出している。
2017年7月場所には、昼の情報番組「バイキング」(現バイキングMORE・フジテレビ系)の懸賞旗が掲げられた。同年7月9日付朝日新聞によると、幕には「お昼はやっぱりバイキング」の文言が。MCの坂上忍さんが番組中で提案したのがきっかけとのことだ。
2019年7月場所では「大麻油」と書かれた懸賞旗が土俵を回った。これは、大麻草に含まれる合法の成分「CBD」を使った油を販売している「メイヂ食品」(名古屋市)による懸賞。公式サイトでは「横綱の綱は大麻草でできています」と、大相撲と大麻草の関係について説明している。2020年からは同社の大麻油のCMキャラクターに元稀勢の里(二所ノ関親方)を起用中だ。