運用者の「メンタル面」も重要項目
分析を聞き、記者は運用への迷いや不安が膨らんだ。オリジナル投稿が減った一番の理由は忙しさでなく、「ゆるいツイートをするのが怖くなった」からだ。
記者「フォロワー数3.6万なのに、たまに1ケタしか『いいね』がつかないことがあって怖いんです。面白くない、滑っていると思われるのではと」
井村さん「気持ちはよくわかります。J子さんが運用を開始した2、3年前と比べ、エンゲージメント獲得が徐々に難しくなっているため、『昔より難易度が高いことに頑張って取り組んでいる』と思うようにしてみてくださいね」
理由は諸説あるが、「RTへのハードルが上がった」ことが考えられるそうだ。「自アカウントのタイムラインに、他アカウントの投稿を入れたくない」と考える人や、「いいね」をした投稿もフォロワーに表示されるようになったため「RT」するほどではないと判断するケースが増えてきたという。
井村さん「運用を頑張るための原動力は人それぞれです。J子さんの場合、気の持ちようで解決しないなら、担当から一度離れるのも手ですよ」
記者「他の人に任せたり、フォロワーに事情を話したりしてお休みするわけですね」
井村さん「そうです。ただ、説明もなくいきなり1週間、1か月と不在にし、アカウントの更新が止まると不信感につながるので注意が必要です」
「フォロワーを悲しませたり、『裏切られた』と感じさせたりしなければ、基本的には全部正解」と井村さん。ツイッターは「投稿への反応がすぐ返ってくるため、PDCAサイクルを早く回せる」点に魅力があるという。そのため、他事業と比べてチャレンジを「細かく、短く」できるのだ。新しく始めた企画でも方法が合わない、手間に見合わない、運用目的に合致していないなら、思い切って「すぐにやめる」のも戦略だ。
井村さん「運用結果を確認し、企画を続けるならブラッシュアップしましょう。やめるにしても、内容が悪かったと断定しないように。実施タイミングや投稿文、画像を変えるだけで同じネタでも上手くいく場合があります」
次回は、作業時間が多く取られ、反響がさほど得られない画像ツイートを一度止め、その分「オリジナル投稿」の強化に回すよう舵を切る。
大手文具メーカー広報、大手化粧品メーカーのブランディング担当を経て、2020年にテテマーチに入社。
SNSのプランニングディレクターとしてツイッターやインスタグラムの戦略立案を担当。2021年に広報責任者に着任し、立ち上げに従事。