納豆のタレを絡めるタイミングはいつがいいのか。通常、調理の順番は味に大きく関わる。ただし、納豆においては特に順番などはない。
いつも通り食べている途中、「混ぜる順番が変われば、味も変わるのか」と気になった。そこで、「納豆のことなら何でも分かる!」と豪語する納豆情報サイト「全国納豆協同組合連合会 納豆PRセンター」に取材した。
先入れは「シャバシャバ」に、後入れだとふわっと
以前も取材に対応してくれた連合会の広報担当者が回答した。「長きに渡り検証されて、答えのない納豆の話題です」と返事が。
「混ぜる順番で味に変化はあるのか」と話を聞いてみると、「連合会としては、納豆は自由に楽しんでいただきたい」としつつも、広報個人としては「後入れで食べることが多いです」と答えた。
まず、「先入れ」は豆の存在感を楽しみたい人や「納豆そばのようなシャバシャバ感を楽しみたい人」向け、「後入れ」はふわふわとした食感を楽しみたい人向けだそうだ。
この違いは納豆の糸の成分が持つ「保水力」が大きく関係してくるという。広報担当者の説明によると、糸の成分には水分を吸着する力がある。先に混ぜることで、ふわっと泡立ち広がった納豆の糸は「表面積」が広がった分、タレを吸着しやすく舌に触れる面積も広い。そのため、「うま味成分を感じやすくなります」と話した。一方、先入れだと「糸が広がる前のため、後入れと比べると水分と吸着しづらいです」と話した。
実際の違いは......
先に入れると、混ざりにくくなるのか。聞くと、「実際に同時に試して、比べて食べてみた方がわかりやすいと思います」とのこと。実際に納豆を2パック用意、それぞれ100回程度ずつ混ぜて比べることにした。
タレを入れる前に混ぜた方は、混ぜている途中から納豆の粘り気が強く、重く感じた。一方、先入れはタレで滑って混ざりにくい。
写真でみるとわかりやすいが、確かに先入れは「シャバシャバ」とした見た目になっている。
また、先入れした納豆では、いくつかの粒が固まった集合体が存在していた。後入れの方は、箸で持ち上げると、それぞれバラバラに。
口に運んでみると、やはり先入れの方は集合体が存在感を出していて「豆」を食べている感覚が強い。一方、後入れの方は納豆の糸がふわっとし、糸そのものにタレの味が染みているような感覚があったが、気のせいかもしれない、とも思う。
(2022年3月13日追記)内容に一部誤りがあり、修正しました。