情報は避難所に集まる
――大規模災害の場合、避難生活にはさまざまな不便が生じます。長引けば「暮らせない」と思うほどつらくなるでしょう。都市部では人口が多く、必要な物資が手に入りにくくなるのが心配です。
阪本:そのために、3日~1週間分の備蓄が必要です。食料や水、懐中電灯、携帯電話の充電用バッテリーは必需品です。
トイレが使えなくなるのに備えて、100円ショップで買える凝固剤は有用。1日5回使用すると見積もると、仮に4人家族なら1日20個、1週間で140個とかなりの数が必要になります。また、固めた後に捨てる際は、ニオイ対策としてふた付きのゴミ箱や、ペットのフンを始末する「におわない袋」があると便利です。
水は飲料水より生活用水を多く使います。私の場合、日常生活では数個の小型ポリタンクに水を入れてためておき、ベランダに置いて花の水やりに利用しています。
――衣食住に加えて、情報が必須です。現代ではインターネットや携帯電話が使えなくなると、何もできなくなるのが怖いですね。
阪本:緊急時にモノと情報が最も集まるのは、避難所です。在宅避難している人も、避難所を訪れて情報収集するとよいでしょう。
また都市部では、避難所に行かない人たちを支援する取り組みが行われています。
東京都練馬区は、阪神・淡路大震災の教訓から、区立の小中学校98校を、避難所と防災拠点機能の両方を持つ「避難拠点」と位置づけ、運営しています。避難生活を送る場としての役割をはじめ、水や食料の配給、復旧・復興関連情報の提供、簡単な手当てや健康相談、心のケア、仮設住宅やボランティアのあっせん、生活再建に関する相談といった支援活動の拠点となります。
今後は大型マンション単位で、こうした拠点の役割が担える体制づくりが望まれます。
(おことわり)「防災特集2021」は今回で終了します。ありがとうございました。