首都直下地震に巨大台風 大都市を襲う災害、あなたが直面したら

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家族が離れている時間の対策を話し合う

内閣府防災のユーチューブ「首都直下地震」より
内閣府防災のユーチューブ「首都直下地震」より

――都市部の大規模災害では「帰れない」、つまり帰宅困難者の発生が懸念されます。

阪本:これは、帰ろうとするから起きる問題。急いで帰らないことです。企業は従業員のために、必要な物資を備蓄しておくとよいでしょう。
   大阪北部地震の際も、大勢の人が帰宅しようとしました。しかし大地震の際は、公共交通機関はストップし、道路は災害対応車両が優先されるため、容易に移動できません。東京の場合は、移動中や屋外にいた人のために一時滞在施設の用意が進められています。東京駅や名古屋駅といったターミナル駅周辺では、企業や施設がフロアを開放して帰宅困難者の待機場所とする対策が進んでいます。

――東日本大震災では、自宅に幼い子や家族がいて心配だと、勤務先から徒歩で数時間かけて帰宅した事例が多くありました。学校に残っていた子どもも、大勢いました。こうなると、親は無理してでも帰ろうという意識が働きそうです。どうすればよいでしょう。

阪本:家族が離れている時間帯に発災した場合の対応策を、親子で普段から話し合ってください。子どもが通う学校の防災体制を確認しておくのも重要です。普段からしっかり防災訓練をしているか、災害時は学校に一時滞在させてもらえるのか、親は知っておくべきです。
   それでも下校途中や塾に通っている時間に被災するかもしれません。だからこそ、繰り返しになりますが事前に家族で一緒に対策を考えおく必要があるのです。
   ほかに、こういった取り組みがあります。広島市の「A.CITY」は建物が18棟、住民約3000人の大規模なマンション群です。自治会では防災に力を入れ、各種行事や住民同士の交流の際に防災にまつわるクイズの出題や、防災ブースを設置するといった工夫をしています。オリジナルの防災マニュアルも、作成しました。こうした活動が評価され、総務省消防庁主催の2017年度「防災まちづくり大賞」で、自治会は「日本防火・防災協会長賞」を受賞しました。
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