家電製品や自動車製造での需要増や、新型コロナウイルス禍で、半導体の供給に支障が出ている。スマートフォンやゲーム機の生産に打撃を与えているが、音楽機材にまで影響が及んでいるようだ。
「半導体不足の影響で『エフェクター』が品薄らしい」との話をツイッター上でたびたび見かける。エレクトリック・ギターといった電気楽器につなぎ、音色に音響効果を与える機器だ。
「ここ半年」耳にするように
ギター・ベース専門店の「BIGBOSS京都」(京都市)は2022年3月4日、ギター用アンプ(音を増幅させる機材)製品の入荷をツイッターで告知。その時に、「半導体不足により機材系の品切れが続く昨今に奇跡的に入荷」と説明していた。
同店の販売担当に取材した。特にデジタル機器の生産が半導体不足の影響を受けているのだという。平時はあまり在庫を切らすことがない有名メーカーが、半導体不足を理由に「納期が未定のため注文を受けられない」とのアナウンスを出し、人気のエフェクターが買えないことがある。
以前から新型コロナ感染拡大の影響で、機材の輸入や製造に支障が出ているという話はあった。ただ、半導体不足がエフェクターの製造に影響を及ぼす事例は「ここ半年ぐらい」から耳にするようになったと話す。
アーティストはじめ音楽を職業とする人に機材が行き届いていないという話は、聞かないという。だが、一般ユーザーでは納期未定により購入できないケースがたびたびあるとのことだ。
そのほか、「デジタルアンプ」という機材もエフェクターを内蔵していることがあり、こちらでも品切れがみられるとした。