つげ義春さん芸術院会員に トヨエツ、竹中直人、雁屋哲も魅せられた

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   日本芸術院の新会員に、漫画界から初めて、つげ義春さん(84)とちばてつやさん(83)が決まった。

   ちばさんは「あしたのジョー」などで有名だが、つげさんはどんな人なのか。『ねじ式』『紅い花』『無能の人』などの作品で一部に熱狂的なファンを持つことは知られているが、なぜ「芸術家の殿堂」とされる芸術院会員に選ばれたのだろうか。

  • 日本芸術院ウェブサイトより
    日本芸術院ウェブサイトより
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「不条理」「疎外」を表現

   日本芸術院は、美術・文芸・音楽・演劇など芸術各分野の優れた芸術家を優遇顕彰するために設けられた国の栄誉機関だ。院長1人と会員120人以内で構成されている。会員は、芸術上の功績顕著な芸術家について、会員からなる部会の推薦(部会における選挙)と総会の承認によって選ばれ、文部科学大臣により任命されてきた。


   しかし、今回から外部有識者も関与する選考方法に改められ、新たに「マンガ」などの新分野が設けられて、2人が選ばれた。2022年2月22日の朝日新聞のデジタルによると、文化庁は、つげさんが推薦された理由について、発表資料で以下のように記している。

「人間存在の不条理や世界からの疎外を垣間見せる『文学的な』表現によって、自己表現としてマンガを捉える青年たちに絶大な影響を与えた」
「美術と文学の世界からも高い評価を集め、その作品を読み解く試みを誘発してマンガ評論の発展にも影響を及ぼした」
「まさに『芸術』としてのマンガ表現において日本を代表する作家」

   つまり、日本にたくさんいる漫画家の中で最高位の人、だとしている。推薦に関わった外部有識者の中に、かなり強烈につげさんを推す声があったことをうかがえる。

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