ロシアによるウクライナ侵攻で、核兵器使用の動向に注目が集まっている。核攻撃から身を守るには、「核シェルター」が必要と頭によぎる人もいるだろう。実は、日本国内で販売されている。
事例は少ないが、実際に設置している家庭はある。日本国内での設置条件や費用を取材した。
放射性物質や有毒ガスの侵入を防ぐ
核シェルターや耐震シェルターを扱う、ワールドネットインターナショナル(東京都港区)代表・中嶋広樹氏に話を聞いた。
核攻撃に対応した製品では、部屋をシェルター化する「レインボー72R」や、室内設置型シェルター「最後の砦」、そして屋外に設置するシェルター「サバイブ」(令和の要塞とも呼ばれる)といった商品を販売していると話す。いずれも個人で購入できる。
「レインボー72R」はエアコンのような機械。イスラエルのメーカーから輸入している。ろ過フィルターや自室の気圧を外部より高める「陽圧」により、放射性物質や有毒ガスの侵入を防いでくれる。爆発に耐える「防爆」性能はないが、爆心地から9〜10キロメートル以上離れ、建物が倒壊しなかった場合の安全確保に役立つ。
ワールドネットインターナショナルでは、通常260万円前後(税別・以下同)で販売している。設置時の注意点として、利用者が住む近所の工務店などに頼み、設置する部屋を密閉する工事をしてもらう必要があると話した。