「帰宅直後に手洗い」すると、家庭内へのウイルス伝播が抑えられる。ライオンが20~69歳の生活者1万人を対象に、家庭内へのウイルス持ち込みとその付着・伝播の実態を調査し結果を2022年2月に発表した。
約9割が「帰宅後、手を洗う」と回答したが、子どもも大人も「手洗い前にリビングやキッチンに立ち寄り、色々なところに触れている」とわかった。帰宅後、手洗いが遅くなり、ドアノブや壁、テーブルなど触れた回数が増えるほど家庭内にウイルスが拡散するため、注意が必要だ。
「手洗い前に消毒」でさらにウイルス量抑制
調査では、「エージェントベースAIシミュレーションモデル」を用い、家庭内にウイルスが持ち込まれた後のウイルス伝播の様子を可視化した。シミュレーションでは、帰宅後一定量のウイルスが手に付着していたと仮定。2LDKの間取りをモデルとしたうえで、帰宅後30分間、接触した場所ごとにどの程度ウイルスが付着しているかを算出した。
(1)帰宅後の30分間に手を洗わなかった群を「手洗いなし群」、(2)15回接触以下で手を洗っている群を「早めの手洗いあり群」、と定義し、それぞれの場合の、家庭内ウイルス付着量を比較した。なお、「15回接触以下」とは、玄関のドアを開けて鍵を閉め、靴を脱ぎ、そのまま洗面所に向かって手を洗ったという行動を表している。
「手洗いあり群」は、「手洗いなし群」と比べると、家庭内のウイルス量は3割以下に抑えられると判明。さらに、帰宅直後に玄関で手指を消毒する「手洗いあり+消毒あり群」の場合は、約1割に抑えられるという結果が得られた。
ライオンは、家庭内でのウイルス伝播を防ぐために「帰宅後、玄関での手指消毒をした上で、リビング等に立ち寄らず、洗面所に直行し手を洗う」ことを発表資料で奨励している。また子どもがいる家庭では、親子で一緒に洗面所に向かう「付き添い洗い」も、大事な手段だという。