羽生結弦とパンダで友好ツイート いつもはコワモテ中国外交官のSNS外交

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「ギドゥンドゥン」に北京駐在のすすめ

   新型コロナウイルスの流行を受け、2022年の北京冬季五輪の観戦を中国在住者に限ると決定した直後の2021年10月、華局長は「羽生結弦選手のファン」に向けた日本語メッセージをツイート。中国での羽生選手の人気ぶりに注目が集まるきっかけになった。

   2月の大会中、華局長の日本語メッセージは6件に上り、大会マスコット「ビンドゥンドゥン」との絡みで一躍有名になった「ギドゥンドゥン」こと日本テレビの辻岡義堂アナウンサーに北京駐在を呼びかける力の入れようだった。

華氏のツイッターより
華氏のツイッターより
華氏のツイッターより
華氏のツイッターより

   米中対立で国際的に孤立する中国は、外交部を挙げて欧米のSNSでの情報発信に力を入れており、特に冬季五輪中は、「友好」をアピールする機会として、どのアカウントも投稿頻度が増えた。

   中でも自由奔放、時に過激な投稿で注目を集めるのが、2021年8月に開設され、2万7000人のフォロワーを持つ薛剣駐大阪総領事のアカウントだ。日々の膨大なRTとリプライでご当人の投稿を掘り出すのも一苦労なのだが、絵文字と「!!!」を多用して日中友好を叫ぶだけでなく、中国の批判報道に怒りを表したり、米国をののしったり感情起伏がなかなかに激しい。

薛氏のツイッターより
薛氏のツイッターより
薛氏のツイッターより
薛氏のツイッターより

   薛総領事はユーチューブ配信もしている。「ツイッターで腹立たしい思いをしたときのリラックス方法」について質問を受けると、「中国についてめちゃくちゃなことを言ってくる、攻撃を仕掛けてくる人に出会うと心が苦しい」と語りながらも、「そういう人の言うことは、こちらの耳(右耳)から入って、こちらの耳(左耳)から出ていくようにしている」と率直すぎる対処法を明かしている。

   自分の投稿に突然リプライがついたことで、薛総領事のアカウントの存在を認知したという東京都内の会社員男性(27)は、「発言が強烈でハラハラするが、微妙にださい絵文字と日本語の脂っこさが癖になる」と話した。

中国駐大阪総領事館のYouTubeチャンネルで配信する薛総領事
中国駐大阪総領事館のYouTubeチャンネルで配信する薛総領事

【連載】浦上早苗の「試験に出ない中国事情」

浦上早苗
経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。
Twitter:https://twitter.com/sanadi37
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