軍事と非軍事の境界がなくなる
1999年に中国で出版され、「9.11」を予見したといわれる『超限戦――21世紀の「新しい戦争」』(角川新書)は、新時代の戦争について以下のように書いていた。
「グローバル化と技術の総合を特徴とする21世紀の戦争は、すべての境界と限度を超えた戦争で、これを超限戦と呼ぶ。このような戦争ではあらゆるものが手段となり、あらゆる領域が戦場となりうる。すべての兵器と技術が組み合わされ、戦争と非戦争、軍事と非軍事、軍人と非軍人という境界がなくなる」
「『勇ましい武人がわが城を守る』時代はすでに過去のものだ。核戦争という言葉さえ古くさい軍事用語になってしまいそうな今日の世界では、度の強い近視眼鏡をかけた色白の書生の方が、頭が単純で筋肉が盛り上がっている大男よりもっと現代の軍人にふさわしい」
ウクライナの戦いでも、この予言が当たることになるかもしれない。