ロシア軍が2022年2月24日、ウクライナへの全面侵攻を開始した。各国メディアが報道しているが、情報が錯そうする中でSNSを使い直接会話を試みる人たちがいた。
音声を使ってリアルタイムで会話するツイッターの「スペース」を通じ、ライブで情報交換をしていたのだ。1990年の湾岸戦争では、米CNNなどが戦闘の様子をテレビ中継したことで話題となった。それから30年が過ぎ、今度は一般の人たちが戦争を、いわば「ネット中継」する時代に変わりつつあるのかもしれない。
英BBCも一時参加
「LIVE RUSSIA ATTACK」と題したスペースは24日正午前に始まり、世界中からリスナーが集まった。ホストはイベントドリブン(投資)トレーダーのGurgavin氏。米国のライターCharlotte Clymer氏や、アフガニスタンの政治活動家Mohammad Shafiq Hamdam氏ら各国の識者が集い、「スピーカー」として意見を交わした。英BBCも一時、参加していたこの「スペース」は最大でおよそ5万人が視聴し、24日19時30分現在も続いている。
Gurgavin氏のツイッタープロフィールには、所在地が「トロント」(カナダ)とある。ウクライナ在住ではないようだが、サイレンが鳴り響く首都キエフの様子や、攻撃を受ける施設の動画を、自身のツイッターやスペースで次々に紹介した。記者が聞いていた時は、ロシアがウクライナのある地域を侵攻したとの報道の真偽を別の参加者に確認する場面があった。
視聴者とみられる日本人ツイッターユーザーの中には、「他人事ではない」と恐怖を募らせたり、凄まじい緊迫感に気圧されたりと、投稿で不安な胸中を明かす人たちがいる。「SFのようだ」と戸惑うツイートも見られた。
note(東京都港区)プロデューサー・徳力基彦氏は、Gurgavin氏のスペースを引用リツイートで取り上げ、視聴者が5万人を超えている点に触れつつ「もはや、戦争がライブ中継される時代なんですね。。。。。」とコメント。この「戦争がライブ中継される時代」という表現に衝撃を受けてか、Voicy(東京都渋谷区)の緒方憲太郎代表取締役は「すごい時代になったな」と、徳力氏のツイートを引用して驚きをにじませている。