1分で酔うVR記者
目についたのは、ガムを噛みながらだとVR酔いが緩和されるかもしれない、という情報だ。学術論文などが掲載されるサイト「Springer Link」に、人間工学を研究しているMara Kaufeld氏らのグループの研究結果が掲載されている。
研究では被験者を、ペパーミントガムを噛む、ショウガのガムを噛む、ガムを噛まない、という3グループに分けた。そのうえでヘリコプターの飛行を体験できるVRヘッドセットを装着させた。実験結果は、酔いを軽減するのにガムが効果だと示したという。ガムの味や、頭の骨の後方下部にある「乳様突起」が酔いの軽減に影響している可能性があるとのこと。
VR記者カスマルも試してみよう。コントローラーを使い、メタバースプラットフォーム「VR Chat」を走り回ってみる。色々な仮想世界に行き、歩き回って他のユーザーと音声でのチャットを楽しめるサービスだ。
うわあ、これだこれ!体は静止しているはずなのに、視界の自分は走り回っているこの感覚。このズレが脳にとっては混乱要素なのか、ものの1分程度で気分が悪くなってくる。
少し休憩し、刺激強めのミントフレーバーのガムを用意した。口に放り込み、くしゃっと噛んでいく。ミントのスーッとした清涼感と香りが鼻に抜ける。再チャレンジだ!
「あ、確かに酔わないかも」
走り回っても、とりあえずは平気!飛んだり跳ねたりと、メタバースを楽しむ。しかし5分ほどたつと、なんだか冷や汗がじんわりと額に浮かんできた。
「あれ?暖房効きすぎたかな??」
気づかないふりをしても体は正直だ。計10分ほど、ガムの味が薄れたころにはすっかり、いつも通り気持ち悪くなってきた。げろげろ?・・・と吐くまではいかないが、とにかく横になりたい。何もしないよりは大分酔いは軽減されたが、限度があるようだ。