「持病の悪化」というリスク
さらに同紙は、広島県の調査を引用している。それによると、発症から「中等症2以上」へ3日以内に移行する人は第5波で約10%だったが、第6波は約35%になっている。「中等症2以上」になる人の多くは高齢者だ。すなわちオミクロンでは、発症してから短期間で「中等症2以上」に移行する高齢者が多くなっていることがわかる。
同紙は、「オミクロン株のウイルスはのど付近にとどまり、デルタ株のようなウイルス性肺炎を起こしにくい半面、高齢者らに感染が広がり、腎臓や呼吸器の持病が悪化して死期が早まるケースが相次ぐ」と指摘している。
デルタ株は「肺炎」という形で全世代を襲った。しかし、オミクロンは「肺炎」がなくても、高齢者にとっては「持病の悪化」というリスクが高い、というわけだ。しかもそれは短期間で進行する。その結果、「重症者」として把握される前に亡くなっている高齢者が多数存在している可能性がある。
警察庁によると、1月の1か月間に新型コロナウイルスに感染し、自宅で容体が急変するなどして死亡した人は全国で151人。ほとんどが高齢者だった。