羽生結弦のスター性は超一流の表現力から ピアニスト反田恭平もうなった

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「文章力」が優れている

   朝日新聞は2月15日、芥川賞作家で、長年のフィギュアスケートファンでもある町屋良平さんによる「羽生選手 主人公であり続ける力」という寄稿を掲載している。

   町屋さんによると、トップ選手は皆、卓越したスケーティング(滑りの技術)を持っている。とくに羽生選手の安定感は突出している。ジャンプやスピンなどを力みなく本番で実行する。ただ滑っているだけでまるで浮いているように軽く、どこにも力みが見られずに伸びていく。よいジャンプやスピンはよいスケーティングからしか生まれない、と解説する。

   そしてこれは、小説における文章力に似ているとも。文章が良いということは小説づくりの他の要素においてもすぐれていることの証左であり、イコールその小説がおもしろい、ということにつながるというわけだ。「スケーティングもまた、それだけで競技の根幹でありすべてなのだと思う」と、スケーティングと文章力を重ねながら論じている。

   フィギュアスケートは、スポーツの中では特に「芸術性」が重視される。それだけに、芸能、音楽、文学などの関係者による分析は、羽生選手のすごさを、同じ「表現者」としての立場からストレートに伝えてくれる。スポーツ関係者によるテクニカルな分析以上に、わかりやすい一面がある。

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